食用ゼラチンの専門メーカー、野洲化学工業(TEL;077・588・3000)は、コラーゲンペプチドの市場開拓に取り組む。産学で効能の科学的立証を進めるほか、農業分野での研究にも着手する。
滋賀県野洲市に本社と工場を持つ。創業は昭和9年。写真用のゼラチン製造、戦後は食用ゼラチン分野に進出した。中でも、板状ゼラチンは国内で70%のシェアを誇るトップメーカーだ。
「ゼラチンの大半は粉末になってしまいました。今では板状ゼラチン製造会社はドイツ2社と当社を合わせ世界に3社しかありません」と中井節夫会長。板状ゼラチンは和洋中の調理で使用されるケースがほとんど。多くの飲食店では同社のブランド「リーフ緑」は知られている。
年商約12億円のうち、その半分は板状ゼラチンで占められている。今後の商品として期待されているのが、「コラーゲンペプチド」。ゼラチンと同種のコラーゲンを酵素分解や加水分解し、低分子化したたんぱく質。体内での消化・吸収がよく、ゲル化力がほとんどないなど多くの特色を持つ。
高齢者の病院食としての活用、さらに大学と連携し疲労回復につながる効果を検証するエビデンスにも着手する。一方、農業分野でも栄養的成分の研究も始めており、「用途は今後無限に広がりそう」と、新規市場の開拓に期待している。
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