⇒ 奈良で活動されていますね。
「30歳で独立、22年目になります。地元奈良の個人住宅の設計が中心ですが、全国からも注文が来ます。テレビや雑誌で私の家が紹介されましたからね」
⇒ ご自宅も自ら設計された。
「奈良市郊外の住宅地、一番端の雑木林に囲まれた斜面の土地に高床式の家を建てました。自然を取り入れ、
光と風を重視した家。内と外の関係を大事にした『ほとんど外の家』がテーマです(笑)」
⇒ 楽しそう。
「ソファに座って雑木林を眺めていると落ち着きます。奈良に住んでいることで、身近にあるお寺や山門などが意識、無意識のうちにイメージになっているのかも知れません」
⇒ 奈良の魅力は。
「京都の雅(みやび)に対して、奈良は侘(わび)です。建築も構造的で、格子も京都に比べて太い。京都の
ような繁華街はありませんが、春日参道の闇があります(笑)」
⇒ 建築以外でも活動されていますね。
「国宝文化だけでなく街の文化もあります。昔は色街があり芸妓さんもたくさんいました。元芸妓さんから三味線、奈良小唄などを教えていただき、その文化を継承する活動にも取り組んでいます」
⇒ 建築を通じ大事なこととは?
「本質を見失わないこと。目先の効果に走らずアイデンティティを大事にしなければなりません。奈良、いや日本の元気づくりも一緒でしょう」
▽住所=奈良市元林院町40
▽電話=0742・24・3600
▽プロフィール=山下喜明建築設計事務所を主宰。住まいの環境デザインアワード暮らしのデザイン特別賞、グッドデザイン賞など受賞作品多数
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞