大阪錫器(TEL;06・6628・ 6731)は、伝統を守りながら新しいことに果敢に挑戦、不易流行の経営を実践。プロジェクトチームを発足、機動力を発揮した商品開発で日本の伝統を育てている。
「流行を追いかけるものではありません。一度市場に出せば10年間は売れ続ける製品をつくります」と、話すのは今井達昌社長。経済産業大臣指定伝統的工芸品「大阪浪華錫器」を扱うだけに、技術、製法から販売までその経営姿勢は真摯だ。
「生活様式の変化で錫の器も変化していきます。時代に対応した商品づくりにも取り組んでいます」と。以前は社長のアイデアで新商品が開発されていたが、最近では若い職人さんも一緒になって取り組む。
昨年は、全国の漆伝統職人とコラボした錫漆シリーズを発売、大きな話題を集めた。今年は38種類の新商品を発売する。その裏には、「新商品のターゲットが見つかるとプロジェクトチームを発足し、集中して開発します」と社長を核にした職人の機動力がある。
企業向けの周年記念品としての需要も多い。「同じ品質のものをたくさんつくるのが職人の技」と、ロゴ入りタンブラーなど1万個以上のオーダーにも対応する。
「まじめに仕事をしていればなくなることはありません」と今井社長。社長就任時の平成14年の年商6700万円から、昨年には2億7000万円までアップ。伝統産業の中で元気な経営を進めている。
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