送風機メーカーの日新技研(TEL;06・6744・9801)は、光るキノコの人工栽培に成功、大学などの研究機関向けに提供を始めた。夜光性のキノコで、今後は観賞用の需要も期待、量産化したい計画だ。
東大阪に本社工場を持ち、40年以上にわたって各種の送風機を製造販売する。プラントメーカー向けのオーダーメイド機が中心で、納入実績は2万5000台以上に及ぶ。
その町工場が開発したのが光るキノコの人工栽培だ。「送風機を納入した酒造会社で米ぬかがたくさん出るので、何か活用できないかと大学の先生に相談したのがきっかけです」と山元新一社長。
米ぬかは栄養分が豊富でキノコの培地になると言われ、八丈島で光るキノコ「夜光茸」の研究をしている先生の現地調査に参加。光るキノコに魅せられ、持ち帰って菌の培養に乗り出した。
酒造会社での送風機、温度・湿度管理のノウハウが、キノコの培養にも活かされた。殺菌方法なども工夫して、人工栽培の技術を習得。3年前から安定して生産できるようになったという。
現在、工場の近くに専用の培養工場を設け、米ぬか、おがくずなどの比率を調整した菌床で、直径2センチ- 4センチの光るキノコを年間200株程度生産。大学などの研究機関に有償で提供する。
栽培は女性社員2人が担当、将来は「光るキノコ観賞施設を設けて子どもたちに見てもらいたい」と夢が広がっている。
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