◎地元と社員が一番
最近、中小企業の経営者さんと話をしていると、「お客様が一番、お客様は神様」
ではなく、もっと大切な人を挙げられます。それは、地域の住民であったり、会社で働く人が一番。お客様はその次ということだそうです。
これまでなら、「なに言うてんねん。お金をいただいているのはお客様やろ!」とおしゃる経営者がほとんどでした。それが、「地元や会社で働く仲間をもっと大切にせないかん」に変化しているのです。
◎ブロンプトンの自転車
先日、お邪魔した建設会社さんもまさに地元と社員を大切にされていました。5年後に100周年を迎える歴史のある建設会社さんです。社名は阪急の創始者小林一三公が付けられたと言われています。
大きな敷地を持つ会社でした。取材に対応していただいたのは専務さん。えらいおしゃれな方でした。自転車が趣味だそうでして、乗っておられるのは、ロンドン製のブロンプトンでした。
◎ブロンプトン仲間
実はボクも同じ自転車で取材に飛び回っています。触らせていただくと、えらい軽いのです。ボクのとは大違い。お話を聞くと、改造して軽量化されていました。すごいこだわりの方でした。
折角だからということ、社内を案内してもらいました。1階の倉庫置き場と並んで、ちょっと変わったコーナーがありました。なにやら居酒屋のような雰囲気です。「これなんです?」とお聞きしました。
◎社内に居酒屋
「社内居酒屋ですよ。不定期ですが、平均月に1回は開店しています」と笑いながら返事されます。どうして社内に居酒屋が…。
そう思っていたら、続けて「建設会社は夜の仕事も多くあり、社員はみんな一生懸命頑張ってくれています。だから、時々はねぎらってあげんとね」とおっしゃいます。
社内居酒屋では、夕方6時から開店し鉄板焼き、焼きそば、たこ焼きなどのメニューが並びます。自由に飲み放題、食べ放題です。
たこ焼きを焼いてくれる社員さんは、以前たこ焼き店で働いていた経験があり、うまいものだそうです。
◎羅臼昆布の野菜スープ
社内居酒屋のほかにも、夜遅くまで現場で仕事があると、専務さんが野菜スープをつくって建設現場に運び、働いている社員にねぎらうそうです。ダシは北海道の羅臼昆布にこだわります。
この専務さんは、自転車で全国を回られそのときに北海道で知り合いになったそうです。以来、そこから美味しい昆布を送ってもらい、料理に使っておられるそうです。
◎社内に農園も
また、本社敷地内には農園もありました。トマト、ピーマン、キューリ、スイカなどが栽培されていました。これは総務部長の担当だそうで、有志が集まって育てておられました。
こんな野菜は社内居酒屋でも活用されます。余ったら、社員にも配られるそうです。
◎夏祭り親子木工教室
一方、地元住民に対しては、夏祭りがあります。建築現場で余った端材を活用し、親子のふれあい木工教室を開催され、夏休みの子供さんの宿題に役立ててもらいたいと言われます。今回は、お母さん向けにヨガ教室の開催も予定されています。
一見、本業の仕事とはあまり関係ないように思えます。でも、こんな取り組みが会社を元気にする。骨格になっているように思えました。社員や地元のことをしっかり考えましょう。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞