井嶋織物工業(TEL;072・437・2225)は、自社開発した「千亀利(ちきり)織」の生産を大阪府泉南市新家の新工場で始めた。伸縮性があり柔らかいニット風の織物は、繊維業界に革命を起こしそう。
創業は1985年、岸和田市で毛布や起毛シーツの製造販売を行う。パイルレスタオルや伸縮性のガーゼケットなど、新しいことに果敢に挑戦。平成26年末に開発したのが千亀利織だ。
「伸縮性のある織物を色々と開発してきましたが、この千亀利織はその集大成の商品。画期的です」と、興奮気味に話すのは井嶋丈典社長。
2層の織物の間にタテに弾性糸を挟み込んだ構造。織物なのに、まるでニットのような緩やかな伸び縮みが出来る。このほか、軽くてふんわりとした嵩高さ、やわらかな肌触り、空気の層が出来て暖かいなどの特色を持つ。特許取得済み。
当初の計画では、昨年から商品化する予定だったが、本社工場が火災にあって中断。織物工程を委託する一方、泉南市に新工場を確保。大型シュリンクドライヤーなどを導入し、後工程を整備して、この夏から本格操業にこぎつけた。
千亀利織による綿、カシミヤ、ウールなどの毛布や夏場のガーゼケットなど、幅広い用途開発を計画。今後は、大手寝具メーカーにOEM供給し、ニットのイメージを持つ千亀利織を国内だけでなく世界に普及させたい考えだ。
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