◎今は介護ビジネス
取材先もその時の経済情勢を反映して、同じようなビジネスや業種が偏ります。最近では、デイケアなどの介護サービスの取材が、よく重なります。これだけ高齢社会になったわけですから、高齢者向けのサービスは、増えるのは当然かも知れません。
その逆もあります。以前は多く見られたビジネスが、今はあまり見なくなってしまった。その1つが人材派遣です。昔は簡単に立ち上げられるために、皆さんこぞって人材派遣ビジネスに参入されました。
◎久しぶりに人材派遣の仕事
しかし、その後、人材派遣業の規制が厳しくなったために、人材派遣ビジネスから撤退する企業が相次いでいます。このため、人材派遣会社の取材は最近、めっきり減っています。
そんな中で、久しぶりに人材派遣会社を取材しました。創業して10年で年商10億円。年率2割近い伸びを見せる元気企業です。
◎目立つ南米系の若者
どんなユニークな経営をされているのか、本社のある滋賀県湖南市へ行って来ました。事務所に入ると、すぐに違いが分かりました。日本人だけでなく、南米系の人がたくさんおられたのです。
工場への人材派遣をメインにし、サービス、事務部門など約350人の派遣登録者を抱えておられます。その9割以上は、なんとブラジル、ペルー、アルゼンチン、ボリビア、コロンビアの人たちでした。
◎社長さんはブラジル3世
実は、社長さんもブラジル3世でした。ポルトガル語も堪能で、日本に就労目的でやって来られた外国人をしっかりフォローされておられます。
滋賀県には、日本、外資系の工場進出が増えています。でも、若者はなかなか工場に来てくれません。モノづくり企業の人手不足は、深刻になっています。
◎積極的に応援
工場が増えたこちらの湖南市。南米から仕事を求めて、多くの外国人の若者がやってきます。そんな外国人を工場に派遣されておられました。
社宅80室を確保するほか、就労の手続き、通訳、子供の入学手続き、トラブルなど生活を全面的にサポート。特殊車両の運転免許などの資格取得も積極的に応援されています。
◎ブラジルに新会社
今後、社内旅行、湖南市国際協会のフェスタやスポーツ大会にも参加し、地元との交流にも力を入れたいとおっしゃいます。社員数は16人で、その内の半分がブラジル人、メキシコ人で占められています。
社長さんは地元の自治体や経済団体とも幅広いネットワークを構築、受け入れ先の開拓を図っておられます。平成29年1月にはブラジルサンパウロに新会社を設立、日本向けの求人活動の拠点を築かれました。
◎ビジネスチャンス広がる
30歳代の若い社長さんは、「日本に就労を希望する外国人の人助けでもあります」と、頑張っておられます。外国人の日本でのビジネスチャンスは広がっているようです。
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