◎還暦過ぎて起業
高齢者が元気です。街を歩いていてもかくしゃくとした姿勢で歩いておられる高齢者を見かけます。取材でも、70歳、80歳、中には90歳でまだ現役で頑張っている社長さん、会長さんおられます。
今や年寄りの冷水ではなく、年寄りが日本経済の先導役を果たしていると言えます。先日、取材しました社長さんは、還暦を過ぎてサラリーマンから起業されました。
◎空気を膨らませたエアークッション
それから12年、今では大阪市内に本社事務所を構えて、日本全国に売り歩いておられます。「ちっちゃい会社ですわ。コツコツ新商品を開発して、売っているだけです」と謙遜されます。
何を売っている会社か?そんな高度な技術がいるものでもありません。どちらかというと、アイデア商品に近いものです。その商品とは、空気で膨らませたエアークッショングッズでした。
◎頭をしっかり固定
そのきっかけは、以前の会社で営業部長をされていた時でした。新幹線でついウトウトと、でも頭がグラグラして思うように眠れません。
たまたまカバンに風船を入れていたそうです。風船を膨らませて、ねじって頭に置くと、頭が固定されてゆっくり眠れたそうです。これがヒントになり、起業すると同時に座っていても頭をしっかり固定できるエアークッションの販売を始められました。
◎寝るときは紙と鉛筆
何しろこの社長さんは、大変前向きな方です。いつも何か、「こんなんあったら便利」な商品を考え続けておられます。
夜、寝られる時は枕元に紙とエンピツを置かれます。「時々、夜中にパッと面白いアイデアが浮かびますねん。忘れたらアカンから、真っ暗な中で走り書きをしておきます」と。
◎楽に座っていける
認知症どこ吹く風です。忘れるよりも、新しい商品アイデアを次々と創造されたいます。過去の営業、商品企画、仕入れ担当の経験を活かして、今の仕事に上手いことつなげておられます。
エアークッションも、頭用だけでなく、その後、首、腰、お尻用と商品化されました。旅行や出張で長時間電車に乗ったり、バスや自動車での移動にも最適。楽に座って行けます。
◎日本を元気づけ
社長さん自身も、今も出張に行かれますが、その際は自社商品を携えて行かれ、疲れ知らずです。「新商品を次々開発しないと売り上げアップは望めません」と、まだまだ会社を大きくしようと、前向きにです。
日本の高齢社会。メディアを含めて、何かマイナスイメージで日本の力が弱まっているように思っているところあります。取材で出会う人を見ていますと、それどころか、逆に日本を元気づけているところあります。
◎ベンチャーは若者の特権ではない
ベンチャーやスタートアップ企業は、なにも若者の特権ではありません。米国のケンタッキー・フライド・チキンの創業者も還暦を過ぎてから起業。世界的な会社にされました。
高齢者の発想で、日本を世界を変えるようなビジネスが出てくること、期待したいと思います。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞