◎創業80年の和菓子屋さん
みやげものに、美味しいものがあまりありません。日持ちのするもの、万人に好かれるもの。あまり高くないもの。そんなことを考えていると、似たりよったりのお菓子になってしまいます。
そんな中、人気の大阪みやげをつくっている会社さんに、取材させていただきました。創業当初は、最中などの和菓子屋さんで、約80年の歴史がありました。
◎人気のスイーツ店に
でも、今は街の和菓子屋さんの雰囲気は全くなく、大きな食品メーカーでした。大きな本社工場です。街の和菓子屋さんから急成長されていました。近くのは、ケーキショップもあります。
そのお店を覗かせてもらいましたが、大勢のお客様で賑わっていました。ショートケーキなど、地元でも人気のスイーツをたくさん揃えておられます。
◎新規事業で大阪みやげもの
今回の取材の目的は、ケーキショップではありません。隣にある大きな食品工場でした。
こちらのお店、和菓子店から洋菓子店、ケーキショップへと進化する中で、新事業として成功されたのが大阪みやげもの菓子でした。
◎可愛いイメージの大阪プチバナナ
確かに、新大阪駅などにはたくさんの大阪みやげが並んでいます。岩おこし、塩昆布から大阪らしいヨシモトスイーツ、串カツ、お好み焼き系のお菓子まで本当にたくさんあります。
こちらの会社が製造販売されているのが、大阪プチバナナでした「それ知っている」と言われる大阪人も多いと思います。ブランド名が、結構記憶にあるのではないでしょうか。何か可愛らしいイメージもありますが、もう一つの事件もあったからです。
◎商品名を巡って裁判に
実は、東京にもこの商品名とよく似た東京みやげ「東京バナナ」がありました。その商品名を巡って裁判となり、メディアでもよく取り上げられたからです。
裁判では勝訴され、今では大阪みやげとして定着しています。そんなアクシデントもありましたが、社長さんに大阪プチバナナの開発秘話を聞かせてもらいました。
◎本格パティシエのみやげ
京都にはおみやげがたくさんあるのに、大阪にはエエもんありませんと。そこで、心を届ける。笑顔を運ぶ。旅するケーキをつくろうと思いましたと、社長は熱く語られます。
旅するケーキとは、なかなかのキャッチですな。洋菓子界の重鎮ムッシュマキノこと牧野眞一さんにプロデュースしてもらって誕生。本格パティシエの初のおみやげケーキでした。
◎容器にも工夫
ふんわり柔らかく焼き上げたスポンジと、バナナの果肉とパッションフルーツソースの入ったカスタードクリームのブリュレです。
「まずは食べてみてください」と嬉しいお言葉を頂戴。いただきました。表面は焦がして芳しく、中はとろりとまろやか。独特の食感が新鮮でした。なるほど、素材だけでなく、容器やパッケージもこだわっておられます。ケースの底を押し上げると、キレイに取り出せる容器の工夫も絶妙です。
◎人気のたこパティエ
さらに、プチバナナに並ぶ人気を商品が生まれました。「たこパティエ」でした。パイ生地にマヨネーズ、ソース、国産青海苔、鰹節などに加え、くるみ、キャラメリゼと、本格たこ焼スイーツです。高級感のあるパッケージ、斬新なデザイン。
庶民派のお好み焼きが、高級菓子に変身です。こちらもいただきました。「お好み焼きの香り。でもスイーツ。お世辞抜きにホンマに美味しい!」。売れているワケが良くわかりました。
◎海外観光客が目立つ大阪
うちは中小企業、新商品を開発し続けないと生き残れませんと社長の言葉。大阪には海外の観光客が目立っています。社長の熱い思いが詰まった大阪プチバナナ。全国だけでなく、世界に飛び出してもらいたいと思います。
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