◎誰もやらなかったから
既存の発想や常識では、大手企業は別にして中小企業では、大きな成功は得られません。リスクを背負いながら、どう新しいビジネスを展開するか、ここが勝負です。誰もやってこなかったビジネスに挑戦するわけですからね。そう簡単ではありません。
米国のスタートアップ企業だけではありません。高田屋嘉兵衛、紀伊国屋文左衛門などもみな同じ。誰もやらなかったリスクを負って、新しいことに挑戦し、成功したからこそ、巨万の富を得たのです。
◎新今宮に都市型ホテル
今もユニクロ、ニトリとか、ヨソがやらないようなことをやって利益を上げているところたくさんあります。その1つにあるのが、星野リゾートです。富裕層を対象にしたリゾートホテル、旅館を次々と開発、日本を代表する元気企業の1つです。
その星野リゾートがえらいことをされます。大阪市内の都心部、それも大阪人ですら、あまり近づきたくないエリア、新世界の一角にある新今宮に観光客に特化した都市型ホテルを建設すると発表したのです。
◎平成34年春の開業
建設するホテルは、温浴施設やレストランを備え、20階建てで608室を予定。新今宮駅のホームから見える場所に、ホテルと一体となった緑地を瀬日する予定です。平成34年春の開業を目指しています。
この計画を知った時、さすが星野リゾートと思ってしまいました。失礼ですが、誰もこれまでこんなところに、高級ホテルを建てるとは思わなかったでしょう。その常識を破って、都市型ホテルを建設するのです。
◎常識を破った計画
とくに星野リゾートのイメージは、富裕層が対象の高級ホテルや旅館です。それが、大阪の中でもガラが悪いと思われている新今宮に建設するというのです。
初めて聞いた人は、ボクと一緒で「え!まさか」と思ったはずです。ここにビジネスに成功するヒントがあるのです。え!まさかの常識を破るとそこに成功の道筋が見えてくるのです。
◎マスコミは肯定的に評価
新今宮プロジェクトは、今から始まりますので、成功するかどうかは分かりません。でも、マスコミの報道を見ていると、ディープな大阪に、庶民的、下町風情が残るエリアに新しい風を吹き込もうとしているといった肯定的は表現が目立っていました。
ディープとか下町風情とか言っていますが、一言で言うとガラ悪いエリア。マスコミの人でもあまり行ってないのでは…。ボクもちょっと前までは、怖くてよう行きませんでした。昼間から酒飲んでいるややこしそうなオッチャンいっぱいいますからね。
◎地元住民は複雑な心境
新今宮周辺のイメージを星野リゾートが一気に変えてくれる。マスコミだけでなく地元住民も喜んいるのかなと思っていました。ところが先日、この西成エリアに住んでいる人と話していると、ちょっと違いました。
「みんな賛成しているわけではありません。汚いけどうまいめし屋もいっぱいあるのに、大きなホテルが出来て雰囲気が変わるのが怖いですよ」と。今の新世界界隈の雰囲気が好きだそうで、よそ者が入って来たら、歴史のある新世界がなくなると危惧されます。
◎マイナスエリアの活性化
場合によったら、反対運動に発展するかも知れない勢いです。確かに、観光客が押し寄せると、なんでも良いわけではありません。京都だって、本当の京都ではなくなってしまいましたからね。
新世界の星野リゾート。素晴らしい着想ではありますが、地元の住民の思いは複雑でした。マイナスエリアの活性化は、ビジネスとして是か非か。星野代表は、蝦夷地を開拓した高田屋嘉兵衛のような存在に見えてきました。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞