◎売り上げより利益を
堅実な経営をされている経営者さんと話をしていると、よくおっしゃる言葉があります。「売り上げをあまり伸ばそうと思いません。売り上げより利益をきっちり確保することを意識しています」と。
なるほど、売り上げより利益を追求されるわけです。売り上げがいくら大きくても、赤字になっていては会社の経営はできませんからね。やっぱり、会社は利益が1番大事だと。
◎利益が会社の存在意義
ところが最近、この売り上げより利益重視の考えに、?と思うようになりました。
利益重視があまりにも強すぎないか、ということです。とくに大企業を見ていますと、利益だけにしか会社の存在意義がないような経営活動をされているところも少なくありません。
◎使い方が見えて来ない
社員、取引先、地域社会よりもまずは利益を上げることに血眼になっているようです。そして、上げた利益で何に使うのかなと思っていたら、内部留保や訳のわからないような外国企業のM&Aです。
お金の稼ぎ方ばかりに気合いが入りすぎ、肝心な稼いだお金で何に使うのか。投資すべき、将来のビジョンが見えてないところがあまりにも多いのです。
◎やっぱり事業の拡大
利益最優先がちょっとおかしいなと思っています。いやいや、それはちゃうでしょう。企業はやっぱり利益出さないと、とボクも思っていました。それが心変わりしつつあるのです。
先日、あるスーパーマーケットの社長さんに取材する機会がありました。お父さんの後を継がれたのですが、社員や取引先、消費者にハッピーになってもらうには、やはり事業の拡大が必要と思われました。
◎1兆円を目標にする
その時の年商が100億円でして、100倍に拡大しようと考えられました。ということは、1兆円です。これは、えらい大きな数字です。
お父さんがリタイアされた年齢まで現役社長で頑張るとして、計算されました。そうしたら、毎年15%伸ばしていくと、1兆円が達成できるという戦略です。
◎地方スーパーを買収
その目標に向かって着々と売り上げを伸ばしておられます。この社長さんの頭の中には、利益より売り上げ1兆円の意識が強いと思います。
それに向かって、地方スーパーの買収なども積極的に進めておられます。買収したスーパーの各店舗の収支はそんなに良いものではありません。
◎スタッフ増員で収支改善
それでも、この社長さんは周囲の反対を押し切って、店舗スタッフを増やされるそうです。最初は赤字が膨らみ店舗収支がさらに厳しくなります。
しかし、スタッフ教育をしっかりやると、その後お店の売り上げが伸び出し、黒字店舗が増えるようになるそうです。「お客様がスタッフサービスの良さに気づかれ来店客が増えます」と。
◎利益よりお客様の喜ぶ姿
目先の利益よりも、売り上げ1兆円という大きな目標が、逆に会社を元気にしているように思えます。どうすれば1兆円を達成できるか?中長期経営計画もしっかりされています。
目の前の利益ばかりを意識してしまうと、大きな手が打てません。長期的な投資が出来なくなるのです。利益よりお客様の喜ぶ顔を見たいという名経営者の考えに近いのではないでしょうか。
利益よりも大事なものがあるように思います。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞