―中小企業では後継が課題。
「私もその1人です。29歳で会社を継ぎましたが、父はお前の好きなようにやれ!と翌日から会社に来なくなりました。そして多額の退職金を会社に請求。そんなこともあり、10年間父との仲は最悪でしたね」
―へえ~!
「父を見返してやる。父に認めてもらいたいという2つの思いが交差し、本業以外に新規事業も立ち上げました。仕事をやり過ぎた結果、嫁からも反発され心身ともに衰弱。会社へも行きづらくなって…。そこで気づきました!」
―何に?
「私が会社に居なくても会社はちゃんと回っている。自分が会社を動かしていると思っていましたが、従業員が一生懸命がんばってくれていたのです。従業員や金融機関への感謝の気持ちが湧き、すると父や嫁にもありがとう!と思えるようになりました」
―父との関係は。
「父が病気で余命半年を宣告されたことも修復につながりました。父には好きなように遊んでくれと言いました。すると父から“お前はようやっている”と手紙をくれたのです。初めて褒めてもらいました。嬉しかったですね」
―それは良かった。
「一緒に旅行するようになり、そこで父から会社や従業員への熱い思いを聞かされました。勝手な親父やと思っていたのは、本当の父の姿ではありませんでしたね。厳しい態度でボクの成長を見守っていたことに気づきました」
―後継のアドバイスを。
「2年前に自分の経験を活かして事業承継のチエを本にしました。会社を継ぐのは、事業を大きくすることだけではありません。父のかいた汗、生き様を確かめて継ぐことやと思います」
▽住所=大阪府高槻市城北町1-14-18
▽電話=072・675・5449
▽事業内容=ビルメンテナンス、保安・設備管理業務など。福祉用具レンタルの「㈱さんきゅー」、就労継続支援A型事業の「ユニーク」を運営。
『先代を超える「2代目社長」の101のルール』(明日香出版社、税別1600円)
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞