◆注目されていますね。
「ありがとうございます。近畿経済産業局の関西ものづくり新撰に選ばれ、第5回『ものづくり日本大賞』内閣総理大臣賞を受賞したことがきっかけ。そこから仕事がやりやすくなりました」
◆どんな製品ですか?
「まさに瓢箪から駒。試作品を製作する会社ですが、ある時お医者さんから赤ちゃんの心臓をつくって欲しいと頼まれました。先天性小児心疾患の心臓模型があると、先生が手術前に訓練でき成功しやすくなるというのです」
◆ビジネスとして?
「最初は事業にはならない、断ろうと。でも、この製品で赤ちゃんの命が救われるなら、取り組む意義があると決断しました。3Dプリンターで型を取り、心臓に似た柔らかい樹脂を流し込んで完成。医療機器として本格事業化はこれからです」
◆経営に対する考えを。
「父は大手家電メーカーの下請けで“寄らば大樹の陰”をずっと言っていました。私はそんな父に反発して試作品製作の会社を立ち上げ、肉体労働ではなく知識労働を目指しました。経営で学んだのはドラッカーの考えです」
◆というと。
「3つのマネジメント。使命、時間、原価管理です。中でも使命は、会社は命を使って何をしないといけないか?です。顧客と社会に貢献することです。時間管理からは世界最速の試作品づくりに挑戦しています」
◆今後の展開を。
「ビジネスには国境はありません。地球規模でやって行きたいですね。問題解決の仕事は幹部に任せ、社長はチャンスをつかむことだと思います」
▽住所=京都市伏見区南寝小屋町57。2年前に社員が輝く新社屋ドリームファクトリーを建設。年間2200人が見学に訪れる。
▽事業内容=京都試作ネットに属し、プロダクトデザイン、開発試作品制作など。心臓シミュレーターは別会社で運営。
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