◎人手不足が続く
人手不足が続いています。飲食店でも、せっかくお店が出来てもスタッフが集まらないので、開店を延期されるところもあります。時給もどんどん上昇しており、経営に大きな影響が出ています。
どうすれば、あまりお金を掛けずに人材を集められるか?中小企業さんにとっては、大きな経営課題です。そこには、発想の転換が必要です。
◎会社のために働く?
給料を上げ、休みを多くすると、若者が集まるでしょう。でも、このタイプの人材は会社の中で大きな戦力となるでしょうか?ならないです。
お金と休みだけを求めている人材は、よその会社がもっと高い給料、多い休みを出すと、そっちの会社へ移ってしまいます。お金と休みのために働いている人たちですからね。会社のためには働いてくれません。
◎会社や社会に役立つ
お金や休みではなく、何のために働いてくれるかが問題です。自分を成長させたい、会社や社会に役立つ人間になりたい。こんな人を探さなければなりません。
ちょっと待って!そんなキレイなことを言っても、ホンマにそんな若者がいるの?と思っている人が大半でしょう。でも、世の中にはそんな若者がいるのです。
◎お金払って働く若者
先日、取材した建築会社さん。そんな若者がたくさんいました。そこで働く若者は、給料をもらっておられません。逆にお金を払って働かせもらっていました。
え!お金を払って働かせてもらっている。皆さんもビックリされたと思いますが、ボクも社長さんからその話を聞いて驚きました。はい。そこには、ちょっとした仕組みがありました。
◎宮大工の養成塾
こちらは、建築会社の中でも寺社仏閣の建築を得意とされていました。社長さんはまだ30歳代ですが、日本最古の建築会社や著名な宮大工の下で修業をされて来ました。
つまり、宮大工としてのキャリアやノウハウをお持ちです。そのブランドを活かされて、宮大工養成の社団法人を設立されたのです。宮大工の養成専門学校のようなものです。
◎欧米、アジアからも
その実習コースの一環で、建築会社が受注した寺社の修繕作業にも加わってもらっています。学生さんにとっては宮大工の勉強です。建築会社にとっては仕事をしてくれる人材でもあります。
なるほど、うまいこと考えられた仕組みでした。現在、数人の学生が入学されています。日本人だけでなく、欧州やアジアからも宮大工になりたいと、こちらへ来られていました。
◎弟子入り、丁稚奉公
学生を働かせている、という見方もあるかも知れません。でも、社長さんはおっしゃいます。「私もそうでしたが、宮大工に弟子入りすると、丁稚奉公ですからね」と。
実際、数年修業をしてもほとんどお金はもらえないそう。でも、こちらでは養成コースを卒業すると、きちっとお金を払って建築会社が雇ってくれる仕組みをつくっておられました。
◎知恵を絞ろう
養成コースの若い学生を将来、自社の人材として確保出来る可能性が高いのです。宮大工養成コースをつくることで、人材確保の心配がなくなるというわけです。
人材不足の時代、ちょっと知恵を絞って下さい。お金をもらって、働いてもうことができるのです。凄い!
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞