『偉いのは中小企業だ！』(Free)

2018年11月10日

◎大手に走る若者

日本で活躍する企業の90％以上は中小企業です。大企業の検査データの改ざん、ブラック職場とあまり良い話はあまりありません。
それにもかかわらず、今だに多くの若者は数少ない大手企業を目指して、就活に頑張っています。なぜ、そんなに大手企業へ走るのか？よく分かりません。

◎大手企業は製品つくる？

大手企業が全ての製品をつくっていると思っているからでしょうね。トヨタの車は、トヨタがつくっている。当たり前と思っているからでしょう。
でも、実際トヨタの車は大手のトヨタではなく、数多くの中小企業がつくっているのです。エンジン、マフラーからハンドル、シート全ては、中小企業がつくっています。

◎組み立てが強い構造

トヨタはそれを安く買って、組み立てて、付加価値をつけて売っているだけ。トヨタはけしからん！いやいや、これが経済構造の本質ですよ。組み立てている会社が一番強くなる仕組みだからです。
電車だって同じですよ。川崎重工業、近畿車輛がつくっていません。全て下請けの中小企業です。モノだけではありません。人もです。ある人材派遣会社の社長さんが言っていました。「うちの人材で車両つくれますよ」と。

◎映像、音声を送信

まあ、大手企業にあるのはブランドだけ。先日、取材で訪れたのはシステム関連の会社でした。映像や音声を簡単に送信できるシステムを開発されていました。
従来は、動画や音声を送るには専用回線を設置し、巨額の費用をかけないと送れませんでした。ヘリコプターからの映像を生で送るため、テレビ局などは凄い設備費用をかけていました。

◎心臓部情報送信システム

でも、今はインターネットが出てきて、簡単に安価に送れるようになりました。例えば自然災害の正確な情報確認、遠隔地の患者さんの今のデータを送ることで、適切な医療が実現できます。
こちらの会社では、その情報伝達システムの心臓部を開発されていました。これにいろいろな装置を組み合わせ、大手企業が緊急情報伝送システムとして販売しています。

◎10分の1の価格で実現

先ほどのトヨタと同じですよ。こちらはソフトの世界で同じ構造になっているだけです。
カメラやスマートフォンなどで撮影した映像や音声を独創的なサーバー処理技術によって高画質、高音声で遅延なくインターネットで簡単に送れる次世代のシステムです。

◎縁の下の力持ちから脱却

優れたシステムです。10年前から商品化、TV会議用、放送局用その後改良を重ねて消防・救急・防災用映像音声伝送システムとしても急速に普及していました。
「注目の遠隔医療診断、ドローン映像にも使われ、当社の伝送システムが縁の下で力を発揮しています」と社長さんは自負されます。
最近では海外からも注目。中国の大学にもシステムが導入されました。

◎陽の当たるところへ

みなさんが便利に活用しているほとんどは、実は中小企業のシステム、技術です。日本の中小企業をしっかり育てないと、日本経済の将来はありません。
中小企業が陰で日本を支えていること。陰ではなく、そろそろ陽の当たるところでアピールすべきです。一番偉いのは大企業ではなく中小企業です。