「下町のロケット」そっくり・中小企業の底力

コージ産業

2018年11月18日

テレビドラマでヒットした「下町ロケット」そっくりの会社が大阪府八尾市にある。コージ産業（TEL ０７２・９２０・０２２０）は、取引先から手ひどい仕打ちを受けたが、自社技術、良い受注先に恵まれてＶ字回復。中小企業の底力を見せつける。

ワゴン車、作業台車などを製造する下町の工場。「売り上げ３０００万円の頃、その７割近くを占める長年の得意先だった会社から工場を見せて欲しいと。役員３人来られて見学、最新鋭の機械の写真を撮って帰られました」と、吉村耕司会長は当時を振り返る。その後、元得意先の会社は同じ機械を購入して自社にて商品化し、さらに特許でコージ産業が訴えられることに。

４年かけ裁判で争ったが、地裁で勝ち高裁で負けて、最後は３５００万円の支払いを命じられてしまった。売り上げの激減に加え、多額の支払いで経営環境はどん底。そんな中、よそが出来ないモノづくりにこだわり、約３０件の特許を持つ“下町の技術力”が息を吹き返すきっかけとなった。

トラスコ中山が、その技術力を評価して配管用工具箱を大量注文、既存製品の販売も協力してもらえ、売り上げは急回復。さらに、「元得意先が当社の特許を侵害していることを見つけて逆提訴して巻き返しました」と吉村会長。４年間裁判で争い、今度は同社が勝訴して約３億円を受け取る逆転劇を果たした。「技術力とトラスコ中山様のお陰で浮上出来ました」と吉村会長。今では、年商５億円、従業員約３０人で堅実な経営を実現している。