◎実家を活かしたビジネス
取材では、実家を活かしたビジネスも時々あります。実家が精肉店だったので焼肉のお店をはじめました。実家が農家なので、有機野菜を活用した有機野菜の専門店をオープンしました。
さらに、実家が漁師だったので海苔のお店を開業した娘さん。養殖漁業の設備機器を開発したモノづくり企業もあります。先日、取材したのは鹿児島県の種子島を実家に持つ若い女性経営者さんでした。
◎種子島で椿油
種子島ですからロケットの関連商品、美味しい安寧芋を使った商品づくり?いえいえ、そうではありません。椿オイルでした。
種子島の山には、椿がたくさん自生しており、椿油が採れるのです。「父が種子島の出身でして、地元に帰ると椿オイルを食生活の中で自然に使っておられます」と。
◎椿オイルのビジネスを
種子島では、椿油は自家使用が大半で、ほとんど島から外へ出ることがないそうです。だから、大島のような有名な椿油になっていません。そこに目をつけた女性経営者さんは、椿オイルのビジネスにチャレンジされていました。
「父が産まれた故郷の種子島では椿がたくさんあり、地元の人は椿油を食用や美容に活用されています。この種子島椿油を多くの人に知ってもらいたいと思いました」と、社長さん。父の実家が所有している山にも椿があり、そのやぶ椿の種を活用されます。
◎心を込めて丁寧に
地元で洗浄、乾燥、搾油、濾過の工程を通して、心を込めて丁寧につくりあげられます。「1滴1滴に自然の力が詰まっています。髪やお肌に使って欲しい」と、化粧品にされました。
シルクのアミノ酸と椿油効果でリンスがいらない「椿乃種シャンプー」。また、クレンジング、ハンドクリーム、ボディーオイルとして使える「椿乃種オイル」の2種類です。
◎近所のお店で販売
オレイン酸が80%以上と人の皮膚に近く抜群の浸透力と水分・油分の蒸発を防ぐ特色があるそうです。近隣の雑貨店、リンパマッサージショップ、美容室などで販売を始められました。
「希少な椿油なので数量は限定です。椿油の素晴らしさを実感していただきたい」と自信満々です。これまでは、近所のお店などに、自社販売されていました。
◎もっと高く売ろう
大変、お安い値段で販売されていました。そんなにたくさんにつくれない商品なのにね。高くすると売れないと勘違いされ、極めて安い価格で販売さていました。
「もっと値段を高くして付加価値を高めるべきです」と、100%高級椿油化粧品をアピールすべきと提案。さらに、販売までを無理してやらずに、OEM供給することも考えるべきと。
◎化粧品会社との連携も
例えば、高級化粧品会社などとの連携も良いと思います。量がつくれないのは、決してマイナスではありません。たくさんつくれないからこそ、高く売れるのです。
つくることばかりでなく、売ることを考えましょう。値段が高いのもマイナスではありません。化粧品では、プラス要因になると思います。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞