◎テレビは背景が大事
時々テレビにも出演させてもらっています。ラジオと違ってテレビは、なかなか大変です。なにしろ映像がメインですから、スタジオは照明器具がいっぱいです。背景にも気を使わなければなりません。
カメラで見ると、スタジオはオシャレな雰囲気に見えます。しかし、その裏側をのぞくと、ベニア板で支えただけ。頑丈でオシャレに見えますが、張り子の虎、フェイクなつくりです。ヘンに押さえると、ゆらゆら揺れそうです。
◎本業は段ボール
半年の一度程度ペースでスタジオをリニューアルされます。これも安定した市場でもあります。先日取材した会社は、こうしたスタジオの飾り付け、イベント会場の飾り付けをされていました。
本業は段ボール会社です。ある時、スウェーデンのオンリーワンの紙資材に出会われたのが、きっかけでした。間伐材を活用したエコ紙資材です。紙なのですが、木材と変わらないぐらいの強度を持っています。
◎スウェーデンから紙を輸入
紙ですから切ったり、貼ったり加工はしやすしです。この紙のボードを活用した商品開発を日本でやっておられました。その1つがテレビスタジオの造作でした。
軽いですから作業もしやすい。従来の木材を活用したスタジオづくりに比べると、メリットは多そうです。でも、スウェーデンからこの紙のボードを輸入するのは大変です。
◎イベント会場でも普及
「紙のボードをスウェーデンから輸入してもビジネスとしてやっていけるのですかね」と、やんわりお聞きしました。その答えは、「納期や人手の問題、地球環境などを考えると、今の木材加工に比べても十分やっていけます」というものでした。
テレビのスタジオだけではありません。イベント会場などの展示ブースでも採用が始まっていました。工場内で切断、印刷をして展示会場の現場で簡単に組み立てることが出来ます。
◎展示会終了時は廃棄処理
さらに、展示会の終了とともに、ブースを一斉に撤収しなければなりません。撤収時間が限られており、オーバーすると罰金を払うことになります。
また、撤収した展示資材などは基本使い捨てで、廃棄処分されます。「環境展の終わった後の会場周辺には廃棄処理のトラックが行列をつくって待っています。全く環境展にふさわしくない光景ですよ」と指摘されます。
◎価格競争に巻き込まれない
でも、こちら紙資材ですから100%リサイクルできるのです。この紙資材の良さにようやく気づかれて、木材に代わって需要が急増しているそうです。
どこでもある段ボールなら、どうしても価格競争になり、付加価値が上がりません。こちらの商品は、一品モノ、オーダーが中心ですので、価格競争には巻き込まれにくいのです。
◎人材も集まりやすい
加工場には、この紙のボードを切断するカット機、インクジェット機などの機械を導入されていました。女性を含めて若い社員さんが、作業されていました。
「段ボールをつくる作業とは違い、こちらはクリエイティブな仕事ですから、若い人からも人気があり、人材も集めやすいです」と、社長さんはおっしゃいます。今はまだ売り上げの約1割強を占める程度。
◎関東市場への本格進出
今年になって関東地区にも拠点を設置。関東市場への本格進出を果たされました。今後は設備と人員の増強を計画されておられます。
3年後には売り上げの5割以上に増やす計画で、社長さんは紙製の造形物、フェイクなモノづくりに期待されていました。
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