竹原編集長の明るいコラム

不況、円高に負けないモノづくり (Free)

産業ジャーナリスト 日本一明るい経済新聞編集長 竹原 信夫

2010年12月 4日

◎試作品ビジネス

不況や円高で、日本のモノづくり企業の経営環境は、厳しいものがあります。とくに、中小企業では中国などアジアの追い上げもあって、生き残りにホンマに苦労されています。
先日、取材しました会社は、同じモノづくり企業でも、元気な経営をされていました。下請けの電子部品の仕事をされていましたが、将来を考えて始められたのが試作品の仕事でした。その仕事が、好調に推移しているからです。

◎チエを絞った生産

携帯電話やパソコンの新商品開発に当たっては、まず、小ロットの試作品をつくります。試作品用の部品を、手づくりで製造されているのです。新機種の開発競争で、試作品用の部品需要も増えており、仕事は結構あるのです。
ただ、量産の部品ではなく小ロットなので、時間もコストも大変かかります。そこで、これを何とか早く、安く作る方法はないものか、とチエを絞って独自の生産方式を構築されました。

◎毎月400件の注文

携帯やパソコンは形が良く似ています。新機種と言っても、まるっきり違うのではありません。「それなら、製作の途中までは従来の金型などが活かせないか」と考えられました。
それで、ベースの金型は共有し、最終部分のところだけを変えるやり方を考案されました。納期は従来の半分、価格も従来に比べて半額という試作品の競争力を武器に、毎月400件の注文が舞い込むそうです。

◎息子さんにバトン

従来の量産品の電子部品は、競争相手も多く、どうしても価格を抑えないと受注できません。試作品は手づくりのために、価格競争に陥りにくいというメリットもあります。
実は、この仕組みを開発されたのは今の社長ではなく、今年会長になられたお父さんでした。まだ、お若いのですが、きっぱりと息子さんに社長をバトンタッチされました。

◎若い社員も元気

これも立派です。中小企業にとっては、後継者問題も大きなテーマです。会社を大きくされた社長さんほど、会社経営に対する思いも熱く、なかなか後継者へ仕事を託すことができないのです。
今、息子さんはやる気マンマンで社員の先頭に立って仕事をされています。若い社員さんも、楽しそうな雰囲気です。

◎明確なビジョンを

日本のモノづくり企業は、正念場を迎えているといえます。アカン、アカンと嘆くのではなく、将来への明確なビジョンを打ち出すときだと思います。円高や不況の影響を受けにくい、企業体質を今こそつくりましょう。


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