◎継ぐ意欲をなくす
中小企業にとって、大きな課題になっているのが後継者問題です。中小企業の場合、後継者は基本息子さんであり娘さん。親戚の誰か、血の通った人を後継にされます。
その後継者がいないのです。まず、息子さんや娘さんが、他の仕事に就かれており、実家の仕事を手伝う意思が全くない人も多いです。お父さんの仕事ぶりを見て、自分には合わない、仕事と収入を考えると魅力がない。そんなところから、継ぐ意欲がなくなってしまっています。
◎2、3世の意識は高い
やる気のある若者、意識の高い若者ほど、親の会社を継ぐ気がない人が多いようにも思えます。どうせやるなら、親父の後を追うのでは無く、創業者として1からやりたい。そんな気持ちは、よくわかります。
こういうとを言うと、お父さんの後を素直に継ぐ人は、仕事に対する意識が低いとなってしまいそう。ですが、実はそうではありません。最近の2世、3世では結構意識が高く、新しいことにも積極的に挑戦する若者が増えているのです。
◎若い頃後継者に憧れる
先日、後継者を育てる大阪市のプロジェクトに参加して、実感しました。近畿経済産業局が主催しました「U34限定野心系アトツギのための新規事業開発講座」です。これまで何回かやっておられ、今回が最終回でした。
実家が会社を経営、その子息が集まっておられます。34歳以下の若者たちです。ボクも学生の頃は社長の息子には憧れました。就活もしなくて良いし、将来は社長になれる。羨ましくもありました。
◎羨ましいから可哀そう
しかし、中小企業のことを段々知るようになると、息子さんは羨ましいから可哀そうと思うようになりました。お父さんの後を継ぐ。お父さんの子飼いもたくさんおられます。
その人間関係を構築するだけでも大変。さらに、親から譲り受けた会社を守り、長く続けて行かなければなりません。プレッシャーも相当なものです。それなら、自分で会社を立ち上げた方がずっと楽ですよ。
◎面白そうなアイデア飛び出す
集まっておられる後継者の若者には、気の毒やなと同情してしまいました。でも、集まった人たちは、皆さん明るい雰囲気。実家の既存事業ではない新規事業を熱心に考えておられました。
最後には皆さん1分間のピッチで、自分で考えた新規事業のアイデアを発表されていました。ここでは公表できませんが、なかなか面白そうなアイデアも飛び出し、幾つかはビジネスになりそうにも思いました。
◎「アトツギ」をブランディング
講義の最後には、ボクの知り合いで後継者を「アトツギ」とブランディングされ、全国にも広げている仕掛け人の女性が挨拶。「起業家もかっこいいが、アトツギもかっこいい。家業の資源を掘り起こし、新しい業態でイノベーションを生んで欲しい」とかっこいい話をされました。かっこいいアトツギに頑張って欲しいです。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞