◎企業の評価が変わった
企業の評価も大きく変わって来ました。昔は売り上げを伸ばしたり、高収益をあげる急成長会社が注目されました。経済ですから、数字的な裏付けが重要視されました。
新聞記者時代では、おもしろいことをやっている会社でも、数字の裏付けがないと記事に出来ませんでした。「言うだけなら誰でも出来るで。ちゃんとした数字の裏付けがないと記事にならない!」と、デスクから叱られたりしました。
◎赤字経営の上場企業
でも、今は違うのですね。米国のスタートアップ企業は、創業以来ずっと赤字の会社でも、投資する資本家はたくさんいます。日本でもマザーズなどに株式上場会社で、赤字経営の会社も増えています。
今はまだ赤字でも、将来、成長する可能性がある会社には注目します。投資家だけでなく、メディアもそんな会社を取り上げるようになっています。先日、お会いしたスタートアップ企業は、全国紙や有名な雑誌でも取り上げられる今注目の会社でした。
◎京都在住の若い女性社長
本社事務所は京都ですが、年末の忙しい時期でもあり、わざわざ大阪まで出てきていただき、大阪駅前のカフェで取材させてもらいました。まだ、20歳代前半の女性社長さんです。
女性社長さんは、愛想良くお話をしていただきました。まだ立ち上げられて間もないのですが、人柄が良いのもメディアで受け入れられている理由かも知れません。
◎小学校からビジネスを
お話を聞いていると、小学校の頃からWEBデザインのビジネスを開始し、お小遣いを自分で稼いでおられました。さらに、大学ではチャリティーイベント、人材採用ビジネスなどもやられておられました。
こんな商才を持つ若手ベンチャーに、時々お目にかかることもありますが、この女性社長さんはさらに異色でした。何が違うのか?儲けたお金の使い方でした。
◎社会貢献活動を展開
大学時代ではカンボジアで2つの学校を建設、「現地のお母さんから感謝の涙をいただいたのは、今も忘れられません」と、おっしゃいます。そう、稼いだお金を遊びなどに使うのではなく、社会貢献活動に使っておられたのです。
そんな経験を活かし現在、京都市中京区を拠点に社会貢献ビジネスに取り組んでおられました。それも、自ら社会貢献事業をするのではありませんでした。
◎高い視野からの取り組み
もっと高い視野からの取り組みでした。社会を良くするためのビジネスを考える“社会起業家”を育成する活動を進めておられたのです。「私自身もベンチャーです。政治やボランティアだけでは限界がありますい。難しい社会課題にビジネスのスキルを持ち込みたい」と、社会貢献事業の旗振り役を目指しておられました。
この1年半で約100人の“社会起業家”を目指す若者を支援。今も、支援された半数近くが活動を続けていると言われます。
◎ユニークな支援活動
さらに、昨年11月には4ヵ月コースの新プロジェクトをスタートされました。25歳以下の若者10人を選び、それぞれの社会事業プランを社長のほかメンター、アドバイザーなどが毎週進捗をチェックされます。
今回から選出した若者からは参加費は取らず、逆に10万円を支給して事業化を応援されていました。「起業家にはお金の使い方も勉強です」と。本当にユニークな支援活動です。
◎事業のマッチングを応援
この春には、企業経営者、投資家、行政関係者を集めた卒業式を京都で開催される予定です。
実際、卒業式には企業経営者、投資家、金融機関、自治体の関係者も参加されます。その前で、卒業生は自らの社会貢献事業をプレゼンされます。そのマッチングに取り組んでおられます。社会起業家を支援する社会起業家でした。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞