触れずにボタンが押せる!初の自社商品「もっとって」を開発 従業員一丸でコロナ対策グッズ
関西利工(072・229・0550)は、新型コロナ感染防止グッズとして、直接触らずにボタンが押せる「もっとって」を開発した。銅パイプを加工した初の自社商品で、従業員一丸で販売を進めている。
1941年の創業。堺市堺区南清水町に本社工場を持つ。以前は自転車部品を主力にしていたが、海外シフトが進んで需要が減少。今はオートバイ、建機、農機など幅広い業界のパイプ部品を手がける。
コロナ禍で需要が減少している中、「技術を活かして街や家族を救える何かをつくれないかと思いました」と、2代目の中尾正典社長。従業員15人の前で感染防止グッズの開発を宣言。
社長の熱意に動かされた従業員と一緒に試作品を何度もやり直し、5月の連休明けに完成。抗菌力のある銅パイプ(口径12・7㎜、65g)で、手のひらサイズ。非接触でドアを開けたり、ボタンを押したり、電車のつり革補助に活用できる。価格は1180円(税込)。
先端をカバーする軟質ゴム(赤色)は、泉佐野の工場から調達、全てが日本製。商品名も女性スタッフのアイデアで決め、全員の力を合わせて商品化した。
販路開拓もひと苦労。近くのデザイン会社で商品チラシ作成て新聞折り込みで広告。「地元での配布でしたが、お客様に広げてもらい東京、千葉、埼玉、愛媛など全国から注文が来ました」と。
医療従事者から大量注文をはじめ、お客様から直接感謝の手紙やEメールがたくさん寄せられ、「下請けでは考えられない反響、スタッフのモチベーションが上がっています」と喜ぶ。販売目標は3000個。今後は小型モデルも検討中だ。
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