卒業アルバムトップメーカーのダイコロ(電話072・850・0771)は、日本独自の“卒業アルバム文化”を世界に広げる海外戦略に乗り出した。台湾、ベトナム、インドネシアへ進出、デジタルとネットワークで少子化時代の販路開拓を進める。
1953年の創業。大阪府枚方市に本社工場を置く。全国約2000軒の写真館と連携、幼稚園から大学まで年間全国で9300校、100万冊の卒業アルバムを制作。3割強のシェアを占める。
「卒業アルバムは日本独特のもの。この文化を世界に広めたい」と、松本秀作社長。2年前から台湾での卒業アルバム事業を展開、現在では40校での実績を誇る。「富裕層の学校を中心に興味を持っていただけるようになりました。現地のカメラマンと連携して進めています」と。
台湾では、個々の学生を主役にした1冊ごとに異なるパーソナル卒業アルバムが中心。松本社長が第51代日本青年会議所会頭を務めるなど、国内外での幅広いネットワークを活かし実現した。
昨年からベトナムでも10校が採用。インドネシアではBINUSユニバーシティと業務提携した。柔道部が実業団で活躍、インターンシップで大学の柔道選手を迎え入れ、卒業アルバムも制作する。
インターネットで海外のカメラマンと連携、スクールカット写真を日本とほぼ同じ感覚(フォトスポット)で利用できる。優れた印刷技術を活かした日本製も海外で評価されている。
このほか、学期の始まりが日本の4月と海外9月と違うことで、繁閑解消になるプラス材料もある。「コロナ禍の中でデジタル化を進め、国内外で新たな市場を開拓したい」としている。
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