◎デジタル化に冷ややか
菅総理の肝いりで社会のデジタル化が一気に進みそうです。ビジネスの世界でも、AI、IoT、ビッグデータと産業革命を起こそうとしています。中小企業もデジタル化は、今後の成長に欠かせない重要な戦略です。
そんなことを思っていたら、おっとどっこい、中小企業の社長さんはデジタル化にはちょっと冷めた雰囲気もありました。「町工場の特色はアナログですよ。数字に表せない技が強みなのに、デジタル化しちゃうと存在理由がなくなります」と。
◎痛い目にあいまっせ
さらに、何でもかんでも生産性のアップ、効率化ばかり求めると、本来の日本の中小企業いや日本のビジネスの良さがなくなります。菅総理も外国人のアドバイスで中小企業政策を誤ると、痛い目にあいまっせと、大阪の経営者さんは鋭いです。
そう言われると、確かにデジタル化が良い事で、アナログはアカンという単純な発想で中小企業を見ると、大きな失敗をしてしまうかも知れません。先日も、ある中小企業さんの取材で実感してしまいました。
◎防災ビジネスを専門に
こちらの会社は、各種非常食、保安用品、浄水装置、災害用各種備蓄品を扱っておられます。創業以来、20年以上わたり防災ビジネスを専門に行っています。
「最近では地元だけでなく1部上場企業さんも来られます」と社長さん。集中豪雨などの自然災害、さらにコロナウイルスと、安全を脅かすことが増えていることもあり、全国の企業から熱い視線を浴びているのです。
◎コロナ禍で好調な経営
「防災一筋やってきました。何が求められているか?誰よりも分かっています。社会が必要とする防災ビジネスを多くの企業と一緒に取り組みたい」とおっしゃいます。実際、防災関連の需要が増えており、コロナ禍で好調な経営をされています。
ノンアルコールの抗ウイルス、抗菌、消臭剤やおしぼり。大手企業からも災害用品の開発で、連携を求められるケースが増えています。
◎デジタルとは程遠い会社
従業員は数人の小さな会社ですが、非常食などの食品を含めて大手企業と連携した商品は少なくありません。防災に関連するノウハウが強みの会社で、全国から相談に来られます。
一方、デジタル化についてはほぼゼロでした。ホームページもありません。「更新するのが大変でしょう。会社に来てもらって、直接話すのが一番です」と、デジタルとは程遠い会社でした。
◎アナログに全力投球
だから、大手企業も今時ホームページのない会社に驚かれるのでしょう。「興信所の方が大手企業の依頼で調査に来られます。うちは少数精鋭で堅実な経営をしています」と自信満々です。既存の素材を災害用品に活かすことを絶えず考え、企画提案、商品開発のアドバイスが強みです。
企画や商品開発が目的であり、デジタル化は手段の1つに過ぎないのです。だから、デジタルではなくアナログに全力投球されていました。
◎ホームページを持たない
ホームページのない会社は以前、ホームレスと揶揄されました。でも、今は逆です。あえてホームページを持たずに、企画力、発想力の強みを訴えられます。それが評価される新時代の多様化戦略でもあります。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞