◎メディアはインターネットに
時代とともにメディアも大きく変わって来ました。以前は新聞がその代表でしたが、その後はテレビに移り、あっという間にインターネットの世界になっています。
今ではスマホをメインにしたSNSで、皆さんはいろんな情報を収集、または発信されています。媒体が紙からテレビ画面、パソコン画面やスマホ画面に移っています。
◎創業150年のせんべい店
でも、街に出れば看板、店員さんの呼び込みなど、まだまだ情報発信はたくさんあります。先日、取材したのは神戸にありますお菓子の会社でした。創業150年近い歴史のある老舗のせんべい店でした。
お店の入り口は、いかにも歴史を感じさせる趣きです。朝の10時、シャッターが上がると同時に入らせてもらいました。お若い5代目さんにインタビューをしました。
◎一世を風靡した瓦せんべい
こちらのお店で一番有名なのが、瓦せんべいです。日本で最初に瓦せんべいを開発された元祖瓦せんべいの会社です。
瓦せんべいは、屋根瓦のカタチをしたサクサク感のある、当時としては洋風味のせんべいでした。大人気となり一世風靡し、マネするところが続出したそうです。
◎お菓子の情報発信
「創業者が偉いのは、同業者のマネを怒るのではなく、瓦せんべい市場が拡大した方が良いとの思われ、マネを許されました。お陰で多くの菓子店さんが瓦せんべいで潤うことになりました」と。出来る創業者ですね。だから、今も発展を続けているのです。
さらに、こちらのお店では食べて美味しい瓦せんべいだけでなく、新しい機能をつけられたのです。それが、情報発信でした。スマホでの情報発信は納得ですが、お菓子での情報発信?どういうこと?
◎4000社以上に情報発信
でも、タネ明かしをすると意外に簡単。そんなことかと思ってもらえます。瓦せんべいの表面に企業の名前、周年祝、竣工祝などの刻印を押されました。
これまで発信された企業の数は、地元の神戸を中心に4000社以上に上るそうです。今では1日約3万枚のおせんべいを焼かれています。
◎もっと進化をしたい
ボクもこれまで多くの会社から、社名が入ったこちらの瓦せんべいをいただいた記憶があります。日本で最初に、せんべいでの広告、情報発信を思いつかれた会社です。
素晴らしい先見性のあるお菓子店です。「コロナ禍でデジタル化がさらに進みそうです。瓦せんべいについても、これからもっと進化させたい」とおっしゃいます。
◎さらなる情報発信を
今回のコロナ禍では、「疫病退散!アマビエ」と「♯コロナに負けるな!」の焼印を押した瓦せんべいをセットで販売されました。そして、その収益の一部を寄付されました。
瓦せんべいが企業のノベリティグッズとしてだけでなく、社会貢献にもつながったのです。若い経営者さんの発想で、せんべいの情報発信力の凄さを証明されました。また、最近のデジタル技術を活かして、瓦せんべいのさらなる情報発信にも取り組もうとされていました。
◎お菓子を通じた情報発信
一方、2年前から神戸元町バターサンドを発売されています。その材料にグリーンオリーブ、鳴門オレンジや神戸イチジクなども使われます。
お菓子の材料に地域の特産物を加えることで、「全国の隠れたこだわりの農産物を多くの人に伝えることが出来ます。これもお菓子を通じた情報発信だと思います」とおっしゃいます。
情報発信は、スマホやテレビ、新聞だけではないのです。以前、母の日のプレゼントに、靴下の表面に「お母さんありがとう」と縫い込んだ靴下を発売、ヒットされた会社もありました。
こちらの会社では、今後、SNSを活用して農業生産者、購買者、食べる人をネットワーク、情報コミュニティの場づくりにも挑戦しようとされていました。お菓子の会社がメディアになろうとされていました。
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