◎田舎に拠点を置く
最近、起業の仕方が変わって来ました。これまでは、都心部のシェアオフィス、インキュベーター施設で始められる方がほとんどでした。
が、今はちょっと違います。どちらかというと、郊外や交通の便が良くない田舎に拠点を置くところが増えています。
◎若い経営者のスマート意識
もちろんコロナ禍の影響もありますが、その前からこの傾向が出ていました。家賃の高い都心部より、家賃が安くて働く職場環境が良い、田舎に対する若い経営者のスマート意識が高まってきたからです。
米国ではベンチャー企業の多くは、早くから都心部にはありません。ちょっと郊外の森や公園のようなところに本社オフィスを置いていました。ようやく日本もそのスマートさに気づいてきたようです。
◎白浜にベンチャー企業集まる
デジタル化が進むといつまでも、交通の便利なところにいる必要はないのです。和歌山の白浜では、東京からベンチャー企業が押し寄せているそうです。温泉に入り、海や山の自然の中で仕事ができるということで、人気が急上昇しています。
パソナグループのほか、大阪の中小企業でも淡路島へ引っ越しをしました。このコラムでもご紹介しましたが、滋賀県の自然環境豊かな場所に移住する企業もあります。「5000坪の土地をびっくり仰天の安さで借りることができました」と社長さんも大喜びです。
◎ハードルの高い取材先
先日、取材に訪れたのは大阪府下のちょっと外れた町でした。電車の駅から遠く、バスしかない不便なところ。周辺にはぶどう畑が点在しています。電車移動をメインにするボクにすれば、ハードルの高い取材先です。
たまたま、紹介いただいた方の車に乗せてもらえましたが、それでも駅から約30分もかかりました。住宅と田んぼ、畑だけ。あまり取材できそうな雰囲気はありません。そして、着いたところは普通の住宅でした。
◎海外で事業を
確かに、敷地は広そうです。本宅の横には別棟もあります。さらに、小さな畑もありました。玄関に着くと、別棟から若い社長さんが登場されます。そして、本宅の畳敷きの一室に入れていただき取材が始まりました。
まだ昨年の秋に創業されたばかりの新しい会社でした。これまでは何をされていたのか?質問すると。日本ではなく海外で事業をされていたのです。
◎出身地の田舎に戻る
「海外で金融、企業やメディアの要望でリサーチ業などをやっていました。が、父の病気から生まれ育った地元に戻って来ました」と、代表さん。
現在の事業内容はIT、WEB制作による企業のブランディング、広報・PR。このほか、地元を元気にしたいと自動化目指したスマート農業。また、高齢者向けの見守り機能をつけた配食事業も運営されています。
◎80人のクリエーターとネットワーク
メインのIT、WEB制作では、以前から付き合いのある約80人のライター、WEBデザイナーとネットワークを構築して、中小企業向けのITサポートを行っていました。
特に力を入れているのが、国内の市町村をさらに細分化したローカルマーケティングへの対応でした。
◎田舎で新しいことに挑戦
スタッフはわずかですが、今後はスマート農業、さらに地域の高齢者向けサービスにも力を入れたい考えです。社会人になって国内外で活躍された方が、都会ではなく出身地の田舎に戻って、新しいことに挑戦されています。
コロナ禍がきっかけで、若い人材が都会ではなく地方に戻り、地元と一緒になって活性化に貢献しようとされています。5年、10年後の地方が楽しみです。
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