◎交通各社に大打撃
新型コロナで、企業経営に計り知れない大きな影響が出ています。今までは、鉄道や航空は社会的に最も必要なインフラとして、最も安定した業種とみられていました。
その鉄道や航空会社がいずれも気の遠くなるような赤字に陥っています。新型コロナウイルスの終息が見えない中、いつ回復できるのか?全く分かりません。
CAさんがコールセンターに派遣されるなんて、誰も予想出来ませんでした。最も安定した会社だったJR各社が、最もしんどい、厳しい経営状況に追い込まれています。
◎先が見えない、ほんまにつらい
本当の一寸先は闇でもあります。そんな大手企業と繋がっている中小企業は、受注が激減してしまい、給付金頼りで息を繋いでいるのが現状です。「先が見えないので、ほんまにつらいです」と嘆かれます。
ボクの知り合いの中小企業さんでも、受注が大幅に落ち込み、売り上げも前年比10%以上も減少しておられました。人員削減や給与、ボーナスなどのカットに踏み切らざるをえない。そんな声が聞こえてくるのかなと、思っていたところ意外な答えが返って来ました。
◎売り上げ落ちてもボーナス
「給与もボーナスも出せると思っています。人員削減する経営状況ではありません」と、きっぱりおっしゃいました。え!売り上げ下がっているのに、なぜそんなに出せるのか?疑問です。
すると、「売り上げが落ちても、コロナのお陰で利益はあまり落ちていません」と。なぜ、利益が確保できるのか?お話を聞いて納得しました。
◎経費削減のコロナパワー
そこには、経費削減の大きなコロナパワーがありました。実はコロナ禍になって営業スタッフは全員、車での出勤に切り替えられました。今までのように、会社へ出てきてから車でお客様回りをするのではなく、家から直接会社の車でお客様回りをされます。
これをきっかけに、営業社員の通勤定期代の支給を原則禁止にされました。この効果が大きかったのです。社員さんで、大阪から1時間以上もかかって出勤されるケースもあり、その定期代が実はバカになりません。
◎通勤定期代を浮かす
社員の通勤定期代全額を支給されている中小企業にとっては、給与とは別に大きな負担になっています。中には定期代を支給されているにもかかわらず、会社の車で移動している営業マンもいます。
通勤定期を買わずに、浮かせて自分の小遣いにされています。また、出張もそうです。会社から満額の交通費をもらっていますが、実際にはチケットショップで安い回数券を購入して、移動しています。
◎出張代、接待費、交際費カット
まあ、これまでは会社も分かっていても多めに見てきました。しかし、このコロナ禍で会社は営業マンに社用車での移動を打ち出したことで、通勤定期代をカット。無駄な定期代が大幅に削減できるようになったのです。
このほか、コロナの非常事態宣言で、出張も原則禁止となり、その交通費や宿泊費を出さなくてもよくなったのです。さらに、お客様との接待も基本は禁止となり、交際費も大幅ダウンとなりました。
◎コロナの印籠を出せば
コロナ禍を理由に出張に行かなくても、接待をしなくても、お客様は納得されます。接待とは言いながら営業マンも一緒ですから、お相伴にあずかって来ました。総務省の接待問題と同様に大きな費用がかかっていました。
それが、コロナの“印籠”を出せば、「仕方がない」と、皆さん納得されます。リモートワーク、車移動、出張なし、接待なしと、大きな経費削減ができているのです。
◎大手企業も同様に
ひょっとしたら中小企業よりも、大手企業の方がさらに大きな経費削減に繋がっているのでは、と思います。新型コロナウイルスが終息しても、会社はリモートワーク、出張なし、定期代なし、接待なしを継続する可能性もあります。
戦後、日本企業の成長の中で、良い思いをしてきた営業マン。今回のコロナ禍をきっかけに、営業マンの良き時代はコロナの終息より一足早く終焉を迎えそうです。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞