◎生活の楽しみ方に変化
コロナで生活環境が一変しました。しかし、その以前から変化の予兆はありました。それが新型コロナ感染拡大で、一気に顕在化したのです。一言で表現するなら、生活の楽しみ方です。
これまでの楽しみ方は、お金儲けです。お金がたくさんあると、好きなものが手に入り、楽しく暮らせると。そのためには、エエ会社に入って出世して、高額な収入を得ることでした。
◎鬱になる社員も
だから、みんな勉強してエエ大学、エエ会社を目指しました。そのレールに乗ったエリート社員もたくさんいます。しかし、そこには思っていたような幸せ感がありませんでした。
収入は確かに増えました。でも、日々仕事に追われて、ゆっくりと楽しむ機会がありません。通勤電車、追われる仕事、鬱になる社員もたくさんいます。
◎田舎で農業、林業、漁業を
こんな状況を間近に見た若者は、都会のサラリーマン生活に決別。新しい生き方を求めています。その背中を押したのが、新型コロナウイルスでした。
感染リスクの高い都会のサラリーマンより、田舎で農業、林業、漁業をやりたいと。実際メディアでは、ひと足早く田舎で仕事を始めた若者の幸せ感を伝えます。
◎地方でも仕事ができる
あ!こんな生活がしたかった!と気づかれ、行動に移されます。都会から若者が地方へと大移動するのです。リモートのお陰で、1次産業だけでなく地方でも仕事ができるのです。
ボクの取材でも、農業を目指す若者が増えてきました。先日、取材しましたソーシャルビジネスをされている方も、農業への進出を計画されていました。
◎農地を確保、野菜などの種まき
受刑者の社会復帰を目指した再チャレンジ実践道場を主宰されています。「コロナ禍の中で、活動を続けるための収益事業を探し、全国の農家さんを回ったことで、農業事業を始めることにしました」と。
農地を確保、この4月から野菜などの種まきをスタート。就農での社会復帰を目指されます。
ただ、本格的な収穫までにはまだ少し時間がかかります。
◎農産物のネット販売
とりあえずの収入確保のために始められたのが、農産物の販売でした。「北海道から沖縄までを回って、環境にもカラダにも優しくて美味しい野菜や果物、加工食品がたくさんあります」と。
大阪周辺の商店街での店頭販売を始められました。さらに、4月末にはECサイトを立ち上げて、農産物ネット販売始められます。
◎食品ロスにつながる
ECサイトでは、全国の約10軒の生産農家と連携、栃木の干し芋、和歌山の梅干し、愛媛のレモン、沖縄の塩などを販売されます。また、定期便として毎月野菜や果物などをまとめて送るコースもあります。
規格外の食材も活用できるので、食品ロスにもつながります。このほか、竹炭パスタや洗剤、化粧品など環境にやさしい商品なども販売する予定です。
◎工業から農業へ
農業はSDGsにも対応、ソーシャルビジネスの収入源としては合致します。日本は四季がはっきりし、水も豊富です。農業国としても適しています。
戦後の工業発展の中で、モノづくり大国として日本は大きく成長してきました。しかし、新型コロナがきっかけで農業を再認識する時代になりました。
お米だけでなく、果実や野菜など世界が注目する農産物、日本酒、焼酎、味噌・醤油などの加工食品もたくさんあります。都会から地方へ、工業から農業へ、日本のイメージも大きく変わりそうです。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞