大阪府下の中小企業3社が連携して開発した独自商品が、ヒットを飛ばす。地中埋設のガス管、水道管を無騒音、無振動で破断撤去できる「きったくん」。3社の持つ得意分野を活かし、関東、関西を中心に多くの導入実績を上げている。
2015年から量産化した「きったくん」は、摂津市に本社を置く油圧破砕機・土木建設機械の賃貸&リースの㈱ロックレンタル社長の岩井靖憲さん、自動車生産ラインの装置を手がける森本精密工業㈱会長の森本正さん、大阪府豊能町に本社を置く機械販売会社㈱オザキ社長の尾崎光徳さん3人の“文殊の知恵”の結晶。ガス管、水道管の撤去作業の現場では、騒音が最大の問題。特に夜間は近隣住民に迷惑をかけるため、夜間工事が進まないのが現状。
その声を聞いた岩井さんが、「静かに簡単に破断できる方法があるのでは」と、高度な溶接技術を持つモノづくり職人の森本さんにアイデアを提案。森本さんが、アイデアを具現化し製品に仕上げた。機械販売のプロである尾崎さんが、全国の大手ガス会社、水道管工事会社に売り込み、拡販に力を注ぐ。
全国ではガス管や水道管の対応年数を過ぎている鋳鉄管の敷設替えが急がれている。大阪ガスの推奨工具、東京ガスの認証工具、千葉県上下水道インフラ整備協会でも承認工具に選ばれている。
3社は今後全国の業者に「きったくん」の使用により「安全、安心、時短」の現場環境改善を提案していきたいと意気込む。水道管・ガス管を変形なく切断するローリングカッター「きったくん3」など第2、第3弾のきったくん商品の開発を進めている。
※きったくんとは= 超硬材の先端に突起物(爪)を6本から18本取り付けたハサミのようなカタチをした破断機。電動油圧ポンプで管の表面から爪を押し込むことで、管の内面から亀裂が入り、スピーディーに静音破断する。管の内径70から500㎜まで対応。特許取得。問い合わせは㈱オザキ(電話090・5904・6239尾崎)。
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