大阪府堺市の福井(電話072・227・0001)は、自社ブランドの高級和包丁の製造販売に乗り出した。海外での和包丁の人気を背景に欧米での本格展開を目指すが、早くも注文が殺到している。
明治45年の創業。大阪府堺市に本社を構え、包丁をはじめ園芸用ハサミ、ノコギリ、スコップなど常時1万5000点の金物を扱う商社。販売先の約5割がホームセンター、EC 業界向けで、年商31億円と安定した経営を推進。
堺の特産品包丁は、「一部自社商品もありましたが、大半はOEM供給。1人の社員から和包丁の職人を目指したいとの思いを聞き、和包丁の製造に本格的に乗り出しました」と、6代目の福井基成社長。
2016年から社員を協力工場で修行、18年には福井社長が欧州に出張して販路を開拓、19年から工房をスタート。今年から高級和包丁として新ブランド「HADO(刃道)」で欧米での展開を始めた。
世界的な和食ブームで注文が殺到、すでに欧米10数社と取引を始める。月間約100本を工房は現在フル稼働で出荷するが、「6カ月待ちの状態が続き、生産量の拡大が課題になっています」と嬉しい悲鳴を上げる。
工房では社員を2人体制にし、将来は4-5人まで強化したい考え。
「職人が全て手づくりしていますが、今後は機械化にも挑戦したい」とし、近い将来は月産能力を今の倍から3倍を目標にする。
「海外ではプレゼント需要も旺盛です」と、デザイン性を重視したパッケージを開発、ギフト市場にも力を入れている。
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