丸紅木材( TEL 06・6260・0081) は、国産ヒノキから抽出した完全植物由来の消臭除菌スプレーで新型コロナウイルスに高い不活化効果を確認した。ヒノキ丸ごと使い切るプロジェクトの一環で、木材会社のSDGs、カーボンニュートラルへ独自の取り組みが注目を集めている。
「木材を事業にする会社として、国産ヒノキを守りたい。根っこから枝先まで全て使い切ることが大事」と清水文孝社長。ヒノキの森林を管理し、伐採・加工・販売・植林まで手がける「IKONIH(アイコニー)プロジェクト」を推進する。
未利用のヒノキ材を使った家具、玩具、ノベルティグッズなどを開発、全国の材木店ルートで販売、実績を上げる。製造工程で出るウッドチップを原料にヒノキ精油を抽出した除菌ミスト「エッセンシャルひのきミスト」を商品化する。
今回、奈良県立医科大学の試験で、同ミストの新型コロナウイルスへの不活化効果を測定、10分後には98・8%のウイルス減少を確認した。新型コロナ感染対策への用途開発で、今後年間10万本の販売を見込んでいる。
ウッドチップに精油を添加した100%オーガニックの消臭剤「ひのきサシエ」も販売。神戸大学大学院人間発達環境学研究科とも共同で、ヒノキの香りによるリラッ
クス効果の研究にも取り組んでおり、来年にも商品化を目指す。
丸紅木材とグループ会社、取引先が連携したIKONIHプロジェクトによる収益は、再植林・整備などにも回され、森林サイクルの構築、SDGsにつながる。「魅力ある商品は木材(炭素固定)を長く利用することでCO2を増やさない、再植林することで大気中のCO2減らすことになります」と、清水社長はカーボンポジティブ、カーボンニュートラルに挑戦している。
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