◎モノづくりは楽しい
このコラムでもいつも言っていますが、モノづくり企業さんの取材は楽しいです。コロナ禍の中で、小さな貸し工場で頑張っている人にエールを送りたい思っています。
先日は、そんな貸し工場さんへ、取材に行って来ました。中小企業の街、東大阪にありました。
◎筒状の外面研磨
工場では奥さんと2人で仕事をされています。たまたま、お邪魔した日は子どもさんの学校がオミクロンで休校となっており、息子さんも社長さんの机で勉強されていました。
お仕事は金属部品の研磨でした。それも板状のものではなく、筒状の外面研磨を得意にされていました。
◎親子独自に仕事を
工場内には円筒研削盤などが置かれており、典型的なものづくり企業でした。実はお父さんも研磨の工場を経営されていますが、板状の研磨でした。
お互いそれぞれ形は違いますが、研磨という仕事は同じでした。「板と円筒状ではお客様も違います。ですから、お互いに助け合うという感じではありません。それぞれ独自に仕事に取り組んでいます」と話されます。
◎SNS個人スクール開校
そんなモノづくりの職人社長ですが、もう一つ新しい仕事を始めておられました。今回の取材はもう一つの方。それはDX時代の戦略でもありました。
町工場向けに、SNS個人スクールを開校されたのです。この社長さんは、モノづくりの技術は得意ですが、営業が苦手だったそうです。
◎営業ができない
大手自動車メーカーを辞めて独立されたのですが、営業ができません。そこで、ブログを始められました。
その後、ツイッター、フェイスブック、ユーチューブなども始められました。町工場の社長さんで、こうしたSNSができる経営者さんはあまりおられません。
◎SNSでアピール
受注の大半は、最近リニューアルされたホームページとSNSです。とくに、オミクロンなどコロナ禍の影響で受注は減少気味だそうです。
それをカバーしてくれているのが、SNSでした。「モノづくりにとっては、ネットで自社の技術力をアピールし、注文に結びつけていかなければなりません」とおっしゃいます。
◎SNSの経験活かす
そこで、自社で培ったユーチューブ動画制作、フェイスブックなどのノウハウを広く提供することを思いつかれました。それが、SNS個人スクールでした。
町工場の特色や職人技などをアピール、営業活動を支援しようとされています。創業時からSNS営業で取り組んだ経験を活かされます。
◎中小企業こそSNSを
社長さんはツイッターで約2500人のフォロワー、ユーチューブで約2150人のチャンネル登録を持たれています。このネットワーク活かして、受注に結びつけられています。
「町工場の優れた技術は全国に知られていません。中小企業こそSNSを活用して受注に結びつけるべきです」と社長さんはおっしゃいます。
◎ディープなファンづくり
「ディープなファンのつくり方や社長さんの人柄を出せる動画編集の仕方を教えます」と。モノづくり職人の体験を活かした実益につながるネット配信で、町工場を元気にして欲しいです。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞