◎新聞とテレビの違い
ボクはもともと新聞記者の出身です。最近、大阪のローカルですが、民放やNHKテレビに出させていただくこともあります。そんなとき、いつも思うのが新聞とテレビの違いです。
取材した元気な中小企業のなかから、オモロそうな会社を選んでテレビで紹介しようと、ディレクターさんに相談します。ところが、新聞出身とテレビ関係者の方では、オモロイ視点の違いを感じることがしばしばあります。
◎テレビは映像のおもろしろさ重視
オモロイ視点が違うのです。ニュースに対する価値観が、新聞とテレビではかなり違うことが、両方の仕事をして段々分かってきました。
新聞では、そのニュースの価値を考えて、トップ、準トップ、段もの、ベタ記事とプライオリティー、優先順位をつけます。ところが、テレビは若干違います。ニュースの価値に加え映像のオモシロさで、優先順位が変わる傾向が多々あります。
◎テレビのパンダ過激放送に???
最近、すごく感じたのが上野動物園のパンダ報道でした。新聞では、あまり大きな記事にはなっていません。が、テレビのニュース関連番組ではバカデカイ報道になっていました。
来日した夜のテレビでは、トップニュースで伝えていました。新聞出身のボクにすれば???です。
◎白浜には8頭のパンダが見放題
なんで、今さらパンダでこんな大騒ぎせなアカンということです。今では全国の動物園にパンダがたくさんいます。
とくに関西では、白浜のアドベンチャーワールドにはカワイイ子どもパンダ含めて8頭もいます。いつでも見放題です。ぜひ、見に来てください!感動ものです。
◎高いお金払ってアホちゃう
マスコミは日本初などの記事は大きく扱いますが、この上野動物園のパンダは初でもなんでもありません。財政ピンチの折に、年間8000万円のレンタル料を払ってアホとちゃうと思います。
北海道の旭山動物園は、お金を掛けずにチエと工夫で日本一の動物園にしました。イノシシにサルを乗せた福知山動物園も凄いです。パンダさえ来れば…という上野動物園の安易な発想。8000万円をもっと有効に使え!新聞で「上野パンダのムダ遣い」といったパンダ社説が欲しいところですよ。
◎可愛かったらエエやん
この話をヨメはんにしたら、「あんた、パンダカワイイないの?」と一発かまされました。ニュースの価値より、やってきたパンダがカワイかったらエエやんということです。
環境問題などで、理屈でなく感情に訴えることも大事なことです。その点では、テレビは有利な媒体です。「また、上野にパンダが帰ってきた」「カワイイ…!」と、感情に訴えるのです。テレビはホンマに動物が大好きです。
◎中東とパンダ情報合戦
閉塞感ただよう日本社会だからこそ、「こんなパンダ映像流してみんな明るくなったらエエのでは…」という声も聞こえてきそうです。でもでも、中東リスクがどんどん高まって、日本の石油危機が目前に迫っているときに、トップニュースとはね…。
このテレビ報道で上野動物園にどれだけの人が押し寄せるか?中東の市民革命も情報でした。テレビを使った上野動物園のパンダの情報作戦。どれだけの人がやってくるのか?その結果が楽しみです。
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