◎東京のダメージ深刻
東北大震災は産業界に大きな影響を与えています。部品工場が大打撃を受け、自動車がつくれない、電車が走れないなど、思わぬところにもいろんな影響が出ています。
なかでも、電力の供給不足が深刻です。ボクの知り合いの社長さんに聞いたところ、「しばらく東京では商売になりませんわ」と、嘆いておられました。
◎しばらくあきまへん
この会社さんは、お好み焼きのチェーン店を東京でも展開されていますが、震災後の自粛ムードで客足がばったりと減ってそうです。そこへ、今回の計画停電は追い討ちをかけました。
「いつ停電になるか分からないようでは、客は来てくれません」と、関東店は赤字だそうです。「しばらくはあきまへんな」と、諦めの表情でした。
◎モノづくり企業も
また、モノづくり企業さんも同様です。工場を関東に持っておられるプラスチック成形をされている会社さん。停電になる2時間前から準備をしないと、溶けたプラスチックが工程の途中で固まってしまい、えらいことになるそうです。
もちろん、立ち上げるときも同じように時間がかかります。停電が分かっていても、そのための準備作業で、大きなロスタイムが出て、コストアップになってしまうそうです。
◎仮設住宅に続いて仮設工場を
これから夏に向かって、電力需要が増えると、計画停電はそう簡単に解消されるとは思えません。そんなことを考えると、被災地の東電エリアでの工場復興にはすごい時間がかかりそうです。
今、被災地では仮設住宅の建設が急ピッチに進んでいます。それと同じように仮設工場を一刻も早く立ち上げて、雇用の場を確保すると同時に、必要な部品を製造、供給する必要があると思います。
◎関西に仮設工場を建設
ただ、この電力事情では現地での工場操業は難しいのが実情です。関西には南港、りんくうタウンには広大な用地が残っています。とりあえず、関西に仮設工場を建ててもらうという、アイデアはいかがなものでしょうか。
余裕のある関西電力の電気を使っていただくことができます。社員さんも家族も、こちらへ引越ししてもらって、仮設工場での働いてもらうほうが、復興は早いと思います。
◎交流でビジネスチャンスも
この不況で、関西には工作機械などの中古品も結構あります。また、廃業された工場もあり、その施設や機械を利用できるかも知れません。
モノづくりの街、大阪で当面は操業してもらい、将来、地元での復興の体制が整った時点で戻られたらエエと思います。その間に、大阪のモノづくり企業とも交流できれば、新しいビジネスチャンスが見えてくるかも知れません。
まず、大阪府や大阪市に、東北大震災の復興支援の一環として、仮設工場の提供を提案したいと思います。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞