◎安心・安全は当たり前
食品関係の取材をしていると、「うちの商品には、添加物は一切入っていません」など、安心・安全をアピールされる経営者さんが多いです。数年前の中国から有害食品が増えて以来、消費者の安全・安心に対する意識が一段と高まって来たからでしょう。
最近では安心・安全を強調されても、あまり記事にはならなくなりました。もはや、食品業者にとっては“当たり前”というわけで、ニュースにはならないからです。
◎ビックリ仰天のレベル7
今回の東日本大震災による福島原子力発電所の事故をきっかけに、この安心・安全がなにやらあやしげになってきました。安心・安全って何?その意味が分からなくなっているのです。
これまで安心・安全、人には大丈夫と言ってきた専門家が、原発事故の評価レベルを5から7に一気に引き上げてしまいました。ビックリ、仰天です。
◎6はどこへ行った?
6から7に上がるのは分かりますが、5から一気に7です。6はどこへ行ったのでしょうか。普通、こんな上げ方はしないと思います。いかに、エエ加減なことをしているか。6と同じで、日本の安心・安全はどこへ行ったのですか。
放射能の安全数値も分かりません。「安全基準を超えていますが、人体には影響はありません。もちろん、食べても大丈夫です」。こんな言葉をいっぱい聞かされました。ということは、これまでの安全基準は、一体何だったのか。
◎基準を超えたら食べたらアカン
さらに、放射能がどんどん出たために、安全基準を見直し、放射能の安全レベルをゆるくされました。逆でしょう。今こそ基準を厳しくして、基準を超えた場所に入らない、食物を食べないようにしないといけないのに…。
地元の復興を支援して現地周辺の食物を食べようという運動が盛り上がっています。これは歓迎すべきことです。でも基準を超えた食物は食べたらアカンのです。これが安全基準だと思います。
◎高齢者と子どもを一緒にしない
安全基準も一律でなくても良いでしょう。放射能は年齢によって、人体への影響が大きく変わるそうです。敏感な小さな子どもには、より安心・安全のデータを示すべきです。
ある社長さんがおっしゃっていました。「高齢者は、避難させることで逆にストレスで亡くなるケースも多いです。10年―20年後に影響が出るかも知れない状況なら自宅に居られた方が幸せからも知れません」と。食物も同じようなことが言えるかも知れません。
◎安心・安全の神話崩れた
肺がんになるかも知れなくても、タバコを吸う人がおれます。それぞれの幸福の基準が違いますからね。安心・安全と幸福論。うーん、ボクにはついていけない深い話になりそうです。
ただ、今回の原発事故で、安心・安全の神話が崩れたことだけは確かです。
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