◎大震災で脚光の電池ホルダー
中小企業さんは、なるほどと思えるようなユニークな新商品を開発されます。前にもご紹介しましたが、東日本大震災で一躍脚光を浴びた電池ホルダーもその1つでした。
これは、家のなかには単3の電池はたくさんありますが、大きい単1の電池はあまりない。ということに目を着けた中小企業さんが開発されたものです。懐中電灯にはこの単1の電池サイズが多く、震災直後、大阪の電気店でもあっという間に単1の電池がお店から消えてしまいました。
◎困っていることたくさんある
でも、この電池ホルダーがあると、単3の電池でも単1として懐中電灯にも利用できるスグレモノです。そう、世の中には人知れずに困っていることが案外たくさんあります。そこを突いたら、ヒット商品になるのです。
先日、岐阜県で取材しました家庭用品メーカーさんも、オンリーワンのおもしろい商品を見つけました。その名は、「ポテトング」でした。ポテトのトング??ポテトでなくポテトチップスのトングでした。
◎ポテトングとは
残業で夜にポテトを食べながらパソコンをすることが、よくあります。その際、手でつかんで触ると、キーボードに油や塩がついてしまいます。
そこで、手でつかまえなくても良いように、ポテトチップスをつかむ専用のトングを開発されたのです。ボクのような年寄りの世界では、そんなもの手を拭いたらええだけ。わざわざ、トングを買う必要があるのかと思ってしまいます。
◎繊細さが光る日本商品
このポテトングの話を仲間にすると、「いやー、実はうちの息子もテレビ見ながら、箸でポテトチップスつまんでいましたわ」とおっしゃいます。そうなのです。最近の若い世代は、手が汚れるのを極端に嫌います。
お菓子を触った手で、テレビのリモコンチャンネルをさらないのです。このポテトングには、特殊な工夫がしてあり、強くつかんでもポテトチップが割れないようにしています。さすが日本人の商品です。繊細さが光っています。
◎息子、娘をよく観察
カラーバリエーションもそろえられました。価格は1個399円。昨年7月から売り出され、ほぼ1年間で30万個を売るヒット商品になっています。でも、社長さんは、「本当は100万個を目標にしており、3分の1でした」と残念そうです。
この商品は生活必需品でもなんでもありません。それでも、30万個を売られたのは、立派だと思います。息子や娘さんをよく観察しましょう。きっと、ヒット商品のタネが隠れているように思います。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞