◎女子大学で取材
企業取材がほとんどですが、時々経営者ではない人にもインタビューします。先日は京都にある女子大学の准教授に取材しました。なぜこの方と知り合ったかというと、あるベンチャー育成の経済団体さんから紹介されたからです。
「おもしろいことを研究している大学の先生おられますよ。一度、会って下さいよ」と言われました。研究しておられる内容は、京都らしい京都花街の経営学ということでした。
◎京都花街の経営学
花街は、京都の伝統文化の1つとして取り上げられることがしばしばあります。ただ、置屋さんの経営になると、これまでほとんど研究のテーマになっていませんでした。
この女性の先生は、京都の出身。大手企業でOL、その後主婦をされ、大学に改めて行かれて勉強。博士論文が京都花街の経営学でした。この方の学会発表を聞いた出版社が本の出版を薦められて、本にもなりました。
◎元気な中小企業経営と同じ
紹介いただいた社長さんは、京都の茶屋さんで遊んでおられる方で、この先生ともお友達。そこで、ボクの京都での取材に会わせて、大学の部屋を訪ねました。ちょうど学生さんが、論文作成の相談に来ており、えらい慌しい雰囲気でした。
でも、快くインタビューに応じていただきました。ボクはお茶屋さんでの遊びの経験はほとんどありません。でも、お話を聞いていると、中小企業の経営、とくに元気な中小企業の経営に非常に近い印象を受けました。
舞妓さんの人材確保は、インターネットを活用して、全国から集められます。そして、親御さんもしっかりと確認され、舞妓さんの素質などを見極めて採用されます。
その後、1-2年で一人前の舞妓になるような教育システムを作り上げています。立派なものです。さらに、価格面でも値崩れさせないしくみがきっちりと出来上がっていました。
組合がしっかりと確立、花代もルールにしたがった値段設定で、価格競争に陥る心配はありません。この世界だけ、合法的な談合体質が出来上がっているのです。そして、徹底したおもてなしのサービスで、顧客満足を実現されます。
花代はこれだけですと言われると、客は誰も文句言わずに納得して高い料金を支払われます。業界が継続する仕組みを何百年にわたってつくり上げてきたのです。
置屋さんの舞妓さん、芸妓さんの人数は、数人から10数人の規模。中小企業に似ています。
お茶屋女将さんが社長、芸妓・舞妓さんが、モノづくりの企業で言えば職人さん。女将さんが芸妓、舞妓をまとめるように、中小企業の社長さんは社員を束ねないとあきません。
つまり、お茶屋さんは元気な中小企業のモデルでもあるのです。いつかお茶屋遊びに行ったら、しっかりとそのノウハウを学びたいと思いました。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞