◎親子二代に取材
奈良にある八百屋さんに、久しぶりに取材してきました。この会社、以前は大阪に本社があり、青果物の卸をされていましたが、どんどん事業規模を大きくされ、今は奈良に加工場を持っておられます。
創業者のお父さんには、ボクがまだ新聞記者の駆け出しのころお会いした記憶があり、只の八百屋のおっちゃんではない、すごい経営者だという印象がありました。
◎せり人からスタート
現在は、息子さんが社長を継いでおられますが、この息子さんもなかなかの経営手腕を発揮されています。「うちのオヤジはせり人からスタートしました。その後、大手スーパーに青果物を一手に卸して大きく成長しました」と。
でも、「うちのおやじのすごいのは、いつも今の商売がアカンようになったらどうしたらええか、考え続けていることです」と、創業者のお父さんを賞賛されます。実際、卸機能がどんどん低下するなかで、直接小売りや惣菜などに、いち早く手を広げて行かれました。
◎八百屋塾を開催
そして、息子さんは西日本では最大規模の野菜のカット工場を建設するなど、どんどん新しい手を打たれます。カットした野菜は、スーパーなどで一般消費者に売るのではなく、あくまでも業務用に販売されます。
レストランやスーパーの惣菜コーナーの調理素材として提供されるのです。もう1つの特色が、八百屋塾と呼ばれるユニークなセミナーを定期的に開催されていることです。
◎毎回100人が参加
これまでに30回開催、毎回、大阪や全国から約100人が参加されます。社長さんが講師を選び、今のレストランやスーパー経営者に役立つ情報を無料で提供されます。
講演の後は、社内で開発したレストランメニューなどを紹介、試食もできます。お客様への情報提供する一方で、自社のカット野菜のPRにもつなげています。
「生産者、食品商社、コンサルタントなどいろんな人が来られます。お蔭様で、人脈を広げることができました」と、ネットワーク構築されています。
◎商売は心配の上に成り立つ
今後も、将来のことを考え設備投資などに前向きです。「オヤジは将来のリスクを考えて、早くから手を打ってきました。設備投資もリスクですが、何もしないともっと大きなリスクを背負うことになります」と。
「そのオヤジから商売は心配の上に成り立つものとよく言われました」と。確かにそうです。リスクのない商売なんてありませんし、また、そんなものがあったらオモシロクありません。成長のためにもリスクを大切に、いつも心配しながら“ドキドキ経営”が大事だと思いました。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞