◎大阪府下の盆栽店に取材
毎月約50社の中小企業に取材しています。モノづくりからシステム開発会社、ネイルサロンなど、いろいろなところへ取材に行きました。今回、お邪魔したのはちょっと珍しい業界でした。
大阪府下の池田市にある植木屋さんでした。この辺りは、植木業者さんがたくさんおられることで有名なところです。お店に行くと、ちょっと様子が違っていました。
◎不況知らずの右肩上がり
庭木のような大きな植木はほとんどなく、あるのは棚に乗っている盆栽でした。そう、植木屋さんというより、盆栽店でした。早速、4代目の若社長さんに取材させてもらいました。
「産業界は不況からまだまだ抜け出せませんが、盆栽ビジネスはどんなものですか?」とお聞きしました。そうしたら、「おかげさんで売り上げは、ここ何年間ずっと右肩上がりですわ」と、言われます。
◎店売りは3割のみ
それはすごい!と思いました。でも、取材中もそんなにお客様が来ている雰囲気はありません。おかしい??そこで、「どんな売り方をしておられるのですか」と、聞きなおしました。
「この店に来られて買っていただいているのは、3割程度ですかな」と言われます。「え!あとはどうして売っているのですか?」と質問。答えは、やっぱりネットビジネスでした。
◎盆栽ネットショップのパイオニア
「ボクはパソコンに興味があり、ウインドウズ98の頃からネットでの販売を考えました」と言われます。盆栽ネットショップのパイオニアのような人でした。
「仲間からは盆栽をネットで販売するなんて絶対ムリと言われました。実際、最初はほとんど売れませんでした」と。盆栽の単品売りだけでなく、鉢や土、ハサミなど関連資材も扱うようになられます。
◎父の日には4000鉢
盆栽趣味の人のワンストップショップを目指されます。そうすることで、どんどん売り上げが伸びて行ったそうです。お話を聞いて、驚きました。なんと、父の日には4000鉢近い受注があったそうです。「出荷で大変でした」と、振り返られます。
「父の日にこれだけなら、敬老の日も結構イケそうですね」と言いました。そうしたら、「いやー、それが3分の1程度ですね」と言われました。ボクのイメージでは、盆栽はお年寄りの趣味だから敬老の日にはもっと売れると思うのに…。
◎敬老の日は不機嫌に
「今の時代、おじいちゃんも敬老の日より父の日にプレゼントをもらうほうが嬉しいのです。敬老の日にプレゼントすると不機嫌になる人もあるそうです」と。
そんなことで、こちらの盆栽ネットも父の日が一番忙しい時期だそうです。贈りものは敬老の品より、父の日か母の日にする方が良いのかも…。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞