◆新年の門出、中小企業経営から学んでもらいたい。
選挙も終わり新しいニッポンの幕開けです。戦後、日本は奇跡的な発展を遂げ、経済大国になった。だが、今の日本は本当に幸せな国になっているのだろうか。
東日本大震災の後、ブータン国王が来日した際、経済発展ではなく国民の幸せを示す尺度「GNH」(国民総幸福量)に、多くの日本人が共感した。
お金だけで人は幸せになれないことを、日本人は気づきつつある。
都心から離れ、山々に囲まれた自然環境の中にある伊那食品工業。売り上げより、社員の幸せが大切と言い切り、自然に学ぶ「年輪経営」を進める。
そこには、「根を深く」「バランス」「脱皮」「急がば回れ」─と言ったキーワードが見える。「木は小さいときは大きな年輪を刻むが、大きくなれば年輪の幅は小さくなり成長はゆっくりとなる。それが自然であり、道理」と塚越寛会長は言う。中小企業で生まれた新しい経営手法に、全国からたくさんの大企業が学びにやってくる。
ブータンと人里離れた中小企業。どこか共通点があるようにも思える。大木に育った日本経済は、質を重視した年輪を刻む時期に来ているのではないか。
幸せとは何か、成長とは何か、会社は何のためにあるか。
2013年の日本は、GDPの経済成長ではなく、「幸せ成長」を目指すべきである。新年の門出、中小企業経営から学んでもらいたい。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞