◎役員は社員の投票で
ちょっと変わった会社は、たくさんあります。先日、取材した会社は、ちょっとではなく、スゴク変わった会社でした。見た目は、普通の建材商社です。立派なビルを持っておられます。事務所に入り、社長さんにお会いしましたが、別段変わっていません。
そう、外見は普通ですが、経営のやり方が大変ユニークでした。一番のビックリは、社長さんをはじめ全役員は、なんと社員投票で選んでおられました。現社長も投票で選ばれ、7年間社長をされています。
◎誰でも社長になれる
以前、社員が立候補して、社長を社員の投票で決める会社を取材しました。が、今回は立候補ではなく、社員が周り見てこの人なら将来を任せそうと、思える人に投票します。
だから、誰でも役員になり、社長になれる可能性があるのです。現在、社員のほぼ全員が会社の株を個人で保有されています。入社3年になると、誰でも会社の株を持て、役員を選ぶ権利が持てるのです。
◎将来を託す人物を選ぶ
一方、役員になれる資格は入社5年以上で、会社の株を500株以上持っている人。ただ、それだけです。2年に1回の役員改選期には、株主でもある社員が投票します。
「一時期は若手社員や女性を役員にしようとしたこともありましたが、今は全く制限ありません。誰が選ばれるか分かりません」と社長さん。ただ、社員にとっては会社の将来を決めることになりますから、やはりそれなりの人物が選ばれるそうです。
◎“みんなの会社”を目指す
こちらの会社では、この仕組みを「全員経営者体制」と名付けています。社員は労働者であり、役員選ばれると経営者にもなり、また株主でもあるのです。
これってスゴイことです。社員が経営者、株主として一体になっており、これがまさに「全員経営者体制」であり、“みんなの会社”なのです。
◎経営者の目線で仕事
このため、社員は経営に対しての意識が高く、皆さん業績にも強い関心を持っておられます。経営者の目線で仕事に当たっておられるのです。
会社の事業方針会では、自分の部署ではない事業についても、社員は積極的に質問するそうです。
◎「大陸宣言」がスタート
利益の6割は社員に還元する業績分配制度も導入。業績と給与が連動するため、会社全体の動きに真剣です。
このユニークなみんなの経営を打ち出された創業者。現在も相談役で健在です。今から40年以上前に掲げられた「大陸宣言」がスタートだそうです。
◎姫路の喫茶店
「さすが大陸的な宣言ですね」とボクが話すと、社長さんは「大陸は姫路にある有名な喫茶店ですよ」と笑われました。
喫茶店に10人足らずの社員を集め、オーナー経営から社員みんなの経営への脱皮を発表されたそうです。それから9年かけて準備され、全員経営者体制を導入されたのです。社員が一体となったユートピアのような中小企業でした。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞