◎もうアカンと諦めない
取材は難しいものです。元気な会社を一生懸命探しても、なかなか見つかりません。その半面、たまたま紹介でお邪魔した会社さんが、びっくりするような元気な会社だったりします。
先日、取材しました会社は、めちゃくちゃ面白い会社でした。もともとは、畳の自動製造機をつくっておられました。でも、国内で畳需要が激減する中で、「もうアカン」と諦めるのではなく、新しいことに果敢にチャレンジされていました。
◎新しい畳を積極開発
自動畳機に続いて開発にされたのが、壁紙に糊を自動的につける機械でした。これも大ヒットし、国内でナンバーワンのシェアを持っておられます。このほか、なぜかシステム開発力もあり、畳屋さん向けの管理ソフトなども手がけておられます。
また、本業だった畳の仕事についても、全く諦めておられませんでした。新しいことに挑戦されていました。畳製造機の技術を応用して、新しい畳を積極的に開発されていました。
◎お風呂用の畳
「畳屋さんは、当社のお客様ですからね。畳屋さんとバッテイングするような畳はつくれません。町の畳屋さんがやらないような特殊な畳を開発しました」と、経営者さん。まず、最初に見せていただいたのが、お風呂用の畳でした。
浴室でも使える畳です。タイルと同じ感覚で、お湯がいっぱいかかっても全く問題ありません。日本風の旅館などで人気だそうです。次がウオッシャブル畳です。介護施設などで使う畳で、オシッコを漏らしても、上から簡単に水で洗い流せる畳だそうです。
◎避難所向けの畳
まだまだあります。次は避難所向けの畳セットです。天候異常で災害が相次いでいます。体育館などに非難するケースが増えていますが、板の上ではなかなか寝つけません。
そこで、避難所向けの折りたたみの畳と段ボール製の間仕切りをセットにしたものを開発されました。全国の自治体などに売り込んでおられます。
◎究極の畳とは
最後に究極の畳を見せられました。昼寝用の畳かなと思ったところ、実は棺桶用の畳でした。天然い草で、開けると畳の匂いがして、遺族の方には大好評です。畳の裏側には送る言葉を寄せ書きできるそうです。
うーん、ここまで考えるのかと、尊敬してしまいます。年間6万枚売れているそう。オンリーワンの発想で、オンリーワンの畳がつくられていました。
成熟産業でも、知恵と工夫でまだまだ伸ばすことできるのです。諦めないで、頑張りましょう。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞