◎創業100年以上が2万社超え
日本経済が長期低迷する中で、老舗の企業もたくさん消えてしまいました。さみしい限りです。でも、先日、ある社長さんが書かれた情報誌を読んでいて、驚いてしまいました。
日本には創業100年以上の会社が、2万社以上もあるそうです。もちろん、世界一の長寿企業国です。第2位がドイツですが、2000社程度でした。その差が、あまりにも大きいのです。
◎日本人は着実な成長を望む
執筆された社長さんは、日本人の勤勉さ、周囲を海に囲まれて侵略されなかった、家訓などをあげておられました。ただ、ボクが中小企業への取材で気づくのは、欧米企業のように急成長をあまり望まないということでした。一歩一歩着実に成長しようとする企業経営者が多いことです。
狩猟民族と農耕民族の違いかもしれません。春にタネを撒いて、秋に収穫する。長い時間をかけて、苦労を惜しまずに成果を上げようという姿勢です。
◎長く続けるコツコツ経営
ある会社では、急成長を望まずに“年輪経営”を導入されていました。木の年輪と同じように、会社が大きくなると、1年間の成長率をあえて小さくして、安定した成長へコントロールされていました。
一言でまとめると、会社を大きくしたいというより、長く続けて行きたいという“コツコツ経営”ではないでしょうか。
急成長する会社は、往々にして急衰退してしまうケースが少なくありません。
◎デンボと店は大きくなったら潰れる
大阪船場の商売人の言葉で「デンボと店は大きくなったら潰れる」という諺があります。デンボは、標準語ではニキビのようなオデキのことです。会社は大きくなったら潰れるという経営学です。
多分、世界でもこんな経営学を唱えているのは、大阪の商売人ぐらいだと思います。常識の経営学では、会社が大きくなると総合力を活かせ、より競争力がついてさらに大きくできると。拡大再生産の発想です。でも、恐竜もありますからね。そこで、大阪商売人は、大きくしない、“足るを知る経営”の発想を持ち込むのです。
◎M&Aは大丈夫か?
この考え方が、ニッポンを世界でも類を見ない長寿企業大国にしているのではないでしょうか。大きくするより、コツコツ長く続けることを第一に考えているのです。家電などに見られる最近の日本企業の低迷は、コツコツ経営を忘れたからだと思います。
M&Aで、もっと大きくしようとする会社もありますが、あまり調子に乗っていると、恐竜やマンモスのようにえらい目に会うかもしれません。
◎会社は大きくなったら潰れる!?
大阪商人の「会社は大きくなったら潰れる」という経営理論。どなたか、証明して確立していただきたいと思います。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞