◎円高、株安日本経済直撃
円高、株安と日本経済がここへ来て、一段と厳しくなってきました。マスコミでは、相変わらず「円高、中小企業を直撃」と、東京大田区や東大阪の中小企業所の窮状を訴えています。
もちろん、その通りです。輸出関連企業では、この円高でほとんど利益が吹っ飛んでしまっています。ただ、中小企業全てが、大変かというとそうでないところもたくさんあります。
◎いろんなことやるのが好き
先日取材しました木工所さんも、新しいことに次々と挑戦し、円高、株安は関係のない元気企業でした。2代目の女性社長さんです。
「うちの父は、いろんなことやるのが好きなのです。もともとは船乗りでしたが、自動ドアを始めて、店舗の改装、木工所へと事業転換してきました」と、社長さん。そのDNAが、この娘さんにも受け継がれていました。
◎ホンモノそっくりの木製家具
現在も、木工所をやっておられますが、新しいことにもいっぱい挑戦されていました。その1つが、ホンモノそっくりの木製家具をウレタン樹脂でつくるということでした。
ショールームにおじゃましました。そこには、テーブルやベンチ、木の株、岩などが並んでいます。だれが見ても、これが樹脂でできているとは思えません。それほど、素晴らしい出来栄えです。
◎大きな岩もある
触ってみました。感触も木に近いイメージです。デコボコもつけてあり、リアルな人工木です。従来のフィルムに印刷した木目などとは、一線を画しています。「これ、すごいですね」と、お褒めしました。
「2年かけて開発しました。ニセモンとは思えないでしょう」と、自信を持っておられます。木製品だけでなく、大きな岩なども樹脂でホンモノそっくりにつくっています。
◎化粧品ビジネスも
価格的に高いため、まだまだ一般家庭への普及は難しいですが、大型商業施設やテーマパーク、テレビのスタジオなどで注文が増えているそうです。
このショールームの隣には、化粧品のショールームもありました。まさかと思って、「これはよその商品ですか?」とお聞きしました。「いいえ、これもうちの商品です」とおっしゃいます。
◎公的機関のアドバイス
木工所だけでなく、化粧品にまで手を出しておられたのです。「娘が肌の弱い子だったので、自分で作って見たら意外に好評で…」と、笑われます。今では化粧品ビジネスも順調に育っているそうです。
不況に負けない経営の多角化を進めているのです。そして、公的機関のアドバイスを受けながら、拡販されています。中小企業は、「アカン、アカン」と嘆くのではなく、いつもチャレンジ精神が持たなイカンと思いました。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞