◎トマートフォンいただきました
取材先で、新しいスマートフォンをいただきました。残念ながらホンマもんのスマートフォンではありません。“トマートフォン”というトマト味のするパロディー駄菓子でした。
パッケージがスマートフォンの形です。ロゴは、あのりんごをかじったデザインをパロって、トマトをかじったデザイン。トマートフォンの表面には、本物そっくりなアプリマークがついています。
◎パロディー菓子で活路
もちろん押しても何も動きません。 底の部分を滑らせると粒状のトマトミントが出てくるだけです。この会社さんは、僕が子供の頃、よく食べていたタバコの形をしたお菓子「ココアシガレット」で有名な会社です。
昭和23年創業の駄菓子メーカー。「昔は駄菓子がよく売れましたが、大手量販店が出てきてから段々売れなくなってしまいました」と、役員さん。どうしたら売り上げを伸ばせるか、そこで考えられたのが、パロディー菓子でした。
◎「写ルンです」から「食ルンです」
富士フイルムの「写ルンです」のCMがヒットすると、さっそく「食ルンです」の商品名で、カタチも使い捨てカメラそっくりのパッケージにされました。ミニコーラーのほか、「愛さまシート」、「アリエナイン」、「キムタック600」などの薬シリーズもいっぱい。
ミニコーラーは米ジョージア州のコカコーラ社と裁判にもなりましたが、今も人気の商品。パロディー菓子では、お笑いのヨシモトさんに負けないくらいの迫力があります。
◎スピード感が真骨頂
「どうしてこんなに次々と面白い商品出来るのですか?」と素直にお聞きしました。「世の中で一番話題のなっているものを見つけて、パロディー化しているのです」と。
先ほどのトマートフォンだって、iPhone5が発売される前日に大阪のシンボル、通天閣で発売。ヤフーニュースにも取り上げられたそうです。このスピード感が真骨頂です。
◎ほろ苦い味のキャッチ?
そんな中で、今、悩んでおられる試作品を見せていただきました。少し前に世界的な発見と大ニュースになった、あの理系女のパロディー駄菓子「STAR細胞ラムネ」を考案中でした。STAP細胞をSTAR細胞に変えたアイデアです。いくつかの試作のパッケージデザインも見せてもらいました。
「うーん、微妙ですね」と、僕もついつい唸ってしまいました。そこで、ちょっとヒラメキました。せっかくだからもうひと捻りして、「甘くない理系女、ほろ苦い味のキャッチでは」と提案しました。
◎空前のヒットそれとも…
この話をあるテレビ局のプロデューサーにしたら、「AをOに変えて“STOP細胞”にしたらもっとおもろいですよ」と言われました。なるほど、さすがテレビ局の人です。駄菓子メーカーにお伝えしようかと思います。
このキャッチで売り出したら空前のヒットを飛ばすか、ヒンシュクかってコケるか、まあどっちかでしょう。何か笑わしたろ!大阪のサービス精神がパロディー菓子の原点です。
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