◎NY経営者はアカン
時代の流れとともに、事業を取り巻く環境もどんどん変化して行きます。その流れに合った事業をしないと、どこかで行き詰ってしまいます。だから、NY(流れがよめない)な経営者さんはあきません。
先日、取材しましたモノづくり企業さんも新しいことに果敢に挑戦されていました。こちらの会社、照明器具の設計から組み立てまでをやっておられました。大手照明器具メーカーの下請け的な存在です。
◎海外進出で仕事が激減
「今年50周年を迎えます。しかし、大手企業さんがみなさん海外へ出て行かれて、仕事は激減してしまいました」と社長さんはおっしゃいます。と言っても、嘆かれるだけではなく、新しいことに挑戦されていました。
何をされているのか?これまで培ってこられた照明器具のノウハウを活かして、LED照明による植物工場のビジネスを始めておられました。植物工場は最近では、大手企業を含めてあちこちで始めるところが増えています。
◎ちょっと違った植物工場
ボクもこれまで工場の空き施設を活用して、植物工場を始める取材をしたことがあります。正直、売り先などを含めて、そんなにうまく行かないのではと思っていました。
ところが、こちらの植物工場はちょっと違っていました。栽培野菜が、よくあるようなレタスなどの品種ではなく、ほとんど聞いたことがない野菜でした。
◎高機能な野菜
「うちが栽培している野菜は、食べて美味しいというより、食べて健康になる野菜が中心です」と。つまり、高血圧や糖尿病患者などに喜ばれるサプリメント系の機能性野菜に絞っておられました。
なるほど、これなら付加価値が高いですし、ビジネスにはなりそうです。特殊な野菜が持っているエキス、生理活性物質を引き出すわけですが、ここでおもしろいことお聞きしました。
◎野菜にストレスを与える
「実は野菜をつくる際に、ストレスをかけるようにしているのです。そうすると、より高い機能を持ったエキスが取れるのです」と。よくトマトなどの栽培で、水を極限まで与えずに育てると、糖度の高い美味しいトマトが収穫できるという話を聞いたことあります。
それにちかいやり方です。光や温度など、栽培環境でストレスを人工的にかけてたくさんの生理活性物質を抽出するのです。
◎ネットワーク化して量を確保
また、1社で取り組むのではなく、同じように仕事が減っているモノづくり企業にも声を掛けて、この植物プロジェクトへの参加を呼びかけておられます。植物工場で出来た野菜をただ売るのではなく、加工して健康食品ビジネスをやろうとされているのです。
それには量の確保も必要です。だから、1社ではなく仲間を募ってやられるのです。
◎ビジネスはひとひねり
なるほど、植物工場もひとひねりすると、すごい可能性のあるビジネスになると思いました。深く考えるとまだまだやれることいっぱいありそうです。しっかり考えましょう。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞