◎伝統商品も進化する
新しい商品もあれば、伝統的な商品もあります。伝統的な商品は、ずっと以前からつくり続けているわけですから、毎年同じようにつくっておけばそれで良いのではと思ってしまいそうです。が、現実にはなかなかそうは行かないようです。
先日、京都府の山の中にある会社を取材しました。社長さんはまだ40歳代の若い人でしたが、やっておられる仕事は、大変伝統的なものでした。皆さん、誰でも知っておられる商品です。
◎しめ縄の大手メーカー
従来は農家の方が、片手間につくっておられましたが、こちらの社長さんがシステム化してビジネスの領域にまで進化させました。前置きが長くなりました。その商品とは、お正月の風物詩でもあるしめ縄でした。しめ縄の大手メーカーです。
年間50万個のしめ縄をつくっておられます。年間と言いましたが、正確に言うと年末に集中して50万個をつくっておられるのです。「クリスマスが終わると、一気に生産のピークを迎えます。もう狂気の世界ですよ」と。
◎物流がポイントに
近所の奥さんを集めて、一気に生産するそうです。宅配便のトラックが行列をなして集配にこられます。京都の本体工場では間に合わず、兵庫県にも加工場を設け、年末集中生産に対応されます。
「量販店はギリギリになって注文、即配送を求められます。だから、物流がポイントになっています。一気に出荷するのは大変です」とおっしゃいます。不況が長く続くなか、最近は返品も常態化しており、「なかなか厳しいですね」と、そんなに楽な仕事ではないようです。
◎神社のお守り、えべっさんグッズ
そこで、しめ縄づくりだけにとどまらず、いろんなお正月飾り、神社のお守り、えべっさんグッズなどの新しい商品開発も進めておられます。明るい材料も出て来ました。
アベノミクス効果で、この年末には景気回復がもっと本格化しそうです。そうなると、こう言った縁起物市場は結構賑わうのです。ボクの予想では、今年のしめ縄飾りは、これまでよりもうワンランク上のものを買われるようになると思います。
◎特大サイズ、高級しめ縄
景気が良くなり所得が増えると、超特大サイズや高品質・高額なしめ縄が人気を呼ぶのではないでしょうか。そう、しめ縄のプレミアムです。ぜひ、高いしめ縄を多くつくるべきと、無責任な提案をさせてもらいました。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞