◎モノづくりが苦境に
リーマンショック以降、日本のモノづくりは、これまでにない苦境に立たされています。円安になっても輸出が伸びずに、逆に円安の影響で材料コストが上がっており、経営環境は一段と厳しくなっています。
これまでは、日本のモノづくりは世界トップクラスと言われてきましたが、ここへきてちょっとその雲行きが怪しくなっています。コストばかりを追求すると、品質にも当然悪影響が出てくるわけで、米国では日本製の評価が最近落ちているそうです。
◎オシャレな金属商品
先日取材しました精密機械部品をつくっている会社さんも、リーマンショック以降仕事が激減しており、厳しい経営状況でした。ただ、こちらではこれまでのモノづくりのノウハウを生かして新事業に挑戦。その商品が注目を集めていました。
何をつくっているのか?部品とは全く対象的なオシャレな金属グッズでした。金属製の張り子の虎などの動物の置物、あんどん、アクセサリーです。社長の娘さんが中心になってデザイン、企画、商品化されていました。
◎工場横にはギャラリー
モノづくり企業が下請けの仕事から脱皮しようと、自社商品に挑戦されるところ、時々見受けられます。ただ、商品を見ると確かに機能性は良いのですが、ダサい感じがしたりして、消費者の欲しいものではなく、結果的にはあまりヒットしそうではありません。
こちらのグッズはちょっと違っていました。奈良にある工場にお邪魔すると、横にはオシャレなギャラリーを併設されていました。展示販売されている商品、店内の雰囲気はまるで東京代官山のショップです。すみません、実際の代官山のショップに行ったことありませんが…。
◎家族みんなが取り組む
デザイン力があるのです。「どなたか作家さんとコラボされたのですか?」とお聞きしたほどです。デザイン、商品企画は、この娘さんが手がけています。
娘さんが中心となり鹿やエトの動物グッズやアクセサリー、社長のお父さんのアイデアは、奈良をモチーフにしたあんどん。弟さんは、オシャレな金属製の文房具、金属製のインテリアにも挑戦されていました。家族みんながかかわって手づくりされているのです。
◎職人さんがクリエーター集団
ホテルや百貨店、高級土産物店などで販売、地元でも注目を集めておられます。部品加工会社でも、こんなオシャレな商品がつくれるのです。工場で働いている職人さんが、クリエーター集団のようにも思えました。
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞