◎牛丼300円時代へ
日本はデフレ経済で、モノの値段がどんどん安くなってしまいました。日本企業は1円でも安くしようと、価格競争に陥りお互いに疲弊してしまいました。アベノミクス効果で、ようやくデフレから脱却する糸口が見えて来たところです。
その象徴として、牛丼の値段もようやく200円代から300円代に戻りつつあります。これが一般的な日本経済の流れでしょう。でも、これが全てではありません。全く違う流れの商売もあるのです。
◎元気なフルーツショップ
先日、姫路で取材したお店は、デフレ経済なんてどこ吹く風と、独自の価格戦略で元気な経営をされていました。地方百貨店の地下一階にある3坪強の小さなお店です。そこでは美味しそうな果物を売っておられました。
メロンやリンゴ、ミカン、イチゴなどを売っておられます。百貨店の地下にあるよくある光景です。何が違うか?値段でした。マスクメロン1玉1万2000円、完熟マンゴー1個1万2960円、リンゴ1個800円、イチゴ1粒500円、夏場のブドウは1房なんと3万5000円のものまであるそうです。
◎メロンなら3万円?
いやー、驚き、びっくりです。「こんな高い果物が売れるのですか?」と、ついつい店長に突っ込んでしまいました。「いやーそんな高くないですよ。東京の有名なフルーツショップなら同じものが2ー3倍で売られていますよ。安いくらいです」と反論されます。メロンなら3万円?ということ。
それにしても、近所のスーパーで果物を買っている庶民にすれば、リンゴ800円、イチゴ1粒500円はまずは買わない価格です。ましてデフレ時代の中。「うちの店は、デフレ関係ありませんね。値下げ商売はほとんどしていません」と自信満々です。
◎800円のりんご
800円のリンゴは、デフレ経済下でも、その季節になると1日50個は売れたそうです。人気のリンゴになると、予約が殺到し、「お店に並ぶ前には完売しています」とおっしゃいます。不況、デフレ関係なしです。
美味しいものなら、少々高くても食べたいというお金持ちがおられるのです。失礼ですが、東京や大阪だけでなく、姫路にもたくさんおられるのです。「お中元、お歳暮の時期は7割がプレゼント用ですが、普段は逆に7割が自宅用に買われます」と。
◎自腹でも食べたい!
デフレ経済では高いものが売れない。大半はそうかも知れませんが、全てには当てはまらないのです。ビジネスは、その当てはまらないところにこそ、チャンスがあるように思います。
売れないと嘆くのではなく、どうすれば売れるかチエを絞ることです。
余談ですが、取材終了時に、お土産に柑橘類の愛媛産「紅まどんな」いただきました。1個500円前後です。ビックリ、今までに食べたいことない美味しさです!500円の価値は十分あり。奮発して自腹でも食べたいと思いました。
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