◎農業が注目
ビジネスの世界でも農業が注目されています。以前は、畑の取材などはほとんどありませんでしたが、最近は時々ビニールハウスでの取材があります。
これまでも、奈良や京都で定年退職後に園芸趣味の人が集まって野菜をつくっている会社。健康食品会社を退職して、有機野菜や養鶏ビジネスを始めた人。
◎農家にタイムレコーダー
さらには、県庁に勤めていた人は役職をふって実家の農業を始めた人もいます。この方は、親子3人の農家ですが、タイムレコーダーを入れて、労働時間と収入を分析。
このままでは、アカンと高付加価値農業を始められました。いち早く無農薬の有機栽培に目をつけて、独自で勉強されました。今では周辺の休耕地を借りて大規模な有機野菜づくりのビジネスをやっています。
◎近郊農家の挑戦
先日取材したのは、大阪近郊の農家さんでした。こちらも、無農薬野菜づくりに取り組んでおられました。ホウレンソウ、小松菜、サラダ菜、トマト、ナス、キュウリなどを栽培。忙しそうにされており、休憩時間にお話を聞かせてもらいました。
古くからある地元の農家さんです。無農薬野菜づくりを率先して進めておられるのは、娘婿さんでした。もともとは呉服店に勤めておられましたが、結婚して奥さんの実家の農家を継がれることになったのです。
◎農薬使うのは当たりまえ
当初は義父の農業のやり方を勉強され、今から15年前から無農薬の野菜づくりに挑戦されました。「お父さんには3年間だけ無農薬でやらせて欲しいと頼み込んで始めました」と、おっしゃいます。
「これまでずっと農薬を使って来ましたから、虫がついたら農薬というのは当たり前でしたからね」と、隣におられた義母さんが話されます。確かに、これが普通の農家でした。
◎出荷ゼロの時期も
呉服店出身の娘婿さんは、独学で無農薬の野菜づくりを始められました。当初の3年間は虫にやられたりして出荷ゼロの時期もあったそうです。
特殊な酵素などを活用して、土地を改良し、葉面に酵素液を散布されるなど、独特の農法です。今では立派に無農薬野菜づくりに成功されました。全国だけでなく、海外からも無農薬野菜づくりの見学者が来られるそうです。
◎量産できる仕組みを
大阪府下の有機野菜小売店やレストラン、さらに事務所の前では義母が店番しながら直売もされています。「無農薬は草むしりもしないといけませんので、非常に手間がかかります。そんなにたくさんはつくれません」とおっしゃいます。
有機野菜は、消費者から注目されています。農家さんらしい家族的な経営ですが、今後、安定的に量産できる仕組みをつくられると、大きなビジネスになるよう思いました。
◎3000円で野菜いっぱい
取材の後、3000円で野菜をいっぱい送ってもらいました。こちらの無農薬野菜は見た目もキレイで、柔らかくてどれも本当に美味しかった。やっぱり有機野菜は美味しい!
中小企業を明るくする!ビジネスサクセスジャーナル 日本一明るい経済新聞